動悸についてまとめました。

動悸→https://ochanai.com/palpitations

動悸についてまとめました。動悸とは、胸部に感じる様々な異常感覚の総称です。動悸症状を引き起こす原因は多岐に渡ります。動悸と不整脈は別物で、動悸は症状の呼び方であるのに対して、不整脈は脈に異常があるかどうかの診断名です。脈に明らかに異常を認めるものが不整脈で、脈に明らかに異常を認めないけれど動悸症状を引き起こすものは様々なものがあります。循環器科の役割は、動悸の原因として循環器疾患、特に致死的疾患を精査することです。動悸症状を引き起こすものの中には、精密検査や治療が必要なものから、と、直接命に関わらないもの、経過観察で問題ないものまで、非常に幅広く、多岐に渡ります。具体的にまとめましたので、ご覧ください。


【動悸とは】

動悸とは、胸部に感じる様々な異常感覚の総称です。一瞬脈が飛んだように感じるもの、常にドキドキ脈が早く感じるもの、突然始まって突然終わるもの、脈がゆっくりで失神や目眩を起こすもの、突然死の原因になるもの、安静時に心臓の鼓動を自覚しているだけのもの、まで幅広い自覚症状の総称です。循環器科としては、循環器疾患、特に致死的疾患を否定することが目標になります。

【動悸の原因】

動悸症状を引き起こす原因は多岐に渡ります。動悸と不整脈は別物で、動悸は症状の呼び方であるのに対して、不整脈は脈に異常があるかどうかの診断名です。脈に明らかに異常を認めるものが不整脈で、脈に明らかに異常を認めないけれど動悸症状を引き起こすものは様々なものがあります。具体的には下記に詳しくまとめました。

・不整脈(心室期外収縮、上室期外収縮、洞性頻脈、洞性徐脈、発作性上室性頻拍、発作性心房細動、洞不全症候群、房室ブロック、心室頻拍、心室細動、他)

・不整脈以外の循環器疾患(心不全、狭心症、心筋梗塞、心筋炎、心筋症、弁膜症、他)

・呼吸器疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、他)

・内分泌疾患(甲状腺機能異常、副腎機能異常、低血糖症、他)

・その他(貧血、低血圧症、更年期障害、発熱、呼吸性変動、他)

・薬剤性(カフェイン、煙草、アルコール、他)

・ストレス性(不安神経症、過換気症候群、パニック障害、他)

・その他、原因不明、上記にいずれも明らかな異常を認めないもの

以上、動悸の原因は多岐に渡ります。主に循環器疾患によるものと、そうでないもの、の二つに分けることが出来ます。循環器疾患によるものは、さらに、不整脈によるものと、不整脈以外の循環器疾患の病気によるものとに分けることが出来ます。循環器系以外で多いものは、甲状腺機能異常、貧血、低血圧症、カフェイン、煙草、アルコール等の影響などが多いです。中には明らかに原因を特定出来ないものも多いですが、循環器科の役割としては、循環器疾患、特に致死的疾患を否定することが目標になります。循環器疾患、不整脈について詳しくは国立循環器病研究センターのページをご覧ください。

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph71.html

【循環器科の役割】

循環器科の役割は、動悸の原因として循環器疾患、特に致死的疾患を精査することです。具体的には、主に動悸の原因として、循環器疾患によるものがどうか、特に不整脈によるものかどうか、不整脈によるものの場合は、精密検査や治療を要するものか、経過観察で良いものかどうか、を調べて行きます。不整脈とは脈の異常を認めるものの総称です。目標は、症状出現時の脈の波形を記録することです。心電図検査、ホルター心電図検査にて、症状出現時の脈の波形を記録出来れば確かな診断が可能です。逆に症状出現時の脈がわからないと、症状から脈の様子をある程度推測することは出来ますが、厳密な意味で確かな診断は困難で、推測にとどまってしまいます。胸部レントゲン、採血等にて動悸を引き起こす他の疾患の可能性を調べます。循環器科では循環器疾患、特に致死的疾患を否定することが目標です。循環器疾患が否定出来た場合、適切な診療科へ紹介します。

・心電図検査

・ホルター心電図検査

・胸部レントゲン

・採血(甲状腺機能、貧血、心機能、他)

・心エコー、心臓MRI、心臓CT、他

・循環器疾患が否定出来た場合、他の適切な診療科へ紹介

【ホルター心電図検査とは】

ホルター心電図検査(Holter Electrocardiography: Holter ECG)は、外来で出来る不整脈の最も詳しい検査です。私たちの心臓は一日約10万回、脈を打っています。24時間全ての脈を記録して、異常がないかどうかを詳しく調べます。動悸や失神、目眩の症状の場合、まず第一に、症状の原因として心臓に異常があるかどうか、不整脈かそうでないか、が重要です。また不整脈を疑う症状であっても、発作的に症状が出たり出なかったりする場合、発作時の心電図波形の記録が確定診断のために極めて重要です。詳しくはホルター心電図検査のページをご覧ください。

ホルター心電図検査→https://ochanai.com/holterelectrocardiography


下記、精密検査や治療が必要なもの、と、直接命に関わらないもの、経過観察で問題ないもの、と、大まかに整理しましたので、ご覧ください。不整脈とは脈の異常を認めるものの総称です。不整脈の中でも、精密検査や治療が必要なものから、直接命には関わらないもの、経過観察で問題のないものまで多岐に渡ります。具体的には、発作性上室性頻拍、発作性心房細動、洞不全症候群、房室ブロック、心室頻拍、心室細動等は、多くの場合精密検査や治療が必要であるのに対して、心室期外収縮、上室期外収縮、洞性頻脈、洞性徐脈等は多くの場合、直接命に関わることはなく、基本的に経過観察または対症療法になります。下記に具体的にまとめましたのでご覧ください。

精密検査や治療な必要なもの:

・不整脈(発作性上室性頻拍、発作性心房細動、洞不全症候群、房室ブロック、心室頻拍、心室細動、他)

・不整脈以外の循環器疾患(心不全、狭心症、心筋梗塞、心筋炎、心筋症、弁膜症、他)

・呼吸器疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、他)

・内分泌疾患(甲状腺機能異常、副腎機能異常、低血糖症、他)

・その他(貧血、他)

直接命に関わらないもの、経過観察で問題ないもの:

・不整脈(心室期外収縮、上室期外収縮、洞性頻脈、洞性徐脈、他)

・その他(低血圧症、更年期障害、発熱、呼吸性変動、他)

・薬剤性(カフェイン、煙草、アルコール、他)

・ストレス性(不安神経症、過換気症候群、パニック障害、他)

勿論、一人ひとりによって症状は違いますので、病名だけで断定は出来ませんが、動悸症状を引き起こすものの中には、精密検査や治療が必要なものから、と、直接命に関わらないもの、経過観察で問題ないものまで、非常に幅広いということが伝われば必要十分です。主治医までご相談ください。


当院は循環器科です。循環器科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。循環器科の診療範囲を具体的にまとめました。

【循環器科の診療範囲】

・心筋梗塞、狭心症、急性冠症候群

・虚血性心疾患、陳旧性心筋梗塞、心筋梗塞後の管理、抗血小板療法

・慢性心不全の管理

・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、他)

・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)

・人工弁置換術後の管理、抗凝固療法

・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)

・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防

・脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作

・高血圧症、二次性高血圧症

・脂質異常症、家族性高コレステロール血症

・糖尿病、糖尿病合併症

・慢性腎臓病

・睡眠時無呼吸症候群

・その他、食事指導、運動指導、禁煙外来、など

以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器科です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、血管の故障の予防という意味ではやるべきことは循環器科と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器科の仕事です。

【循環器以外で対応しているもの】

循環器以外で対応しているものを具体的に挙げました。確定診断、鑑別診断、専門的な治療、最先端の治療等、専門的な診療はそれぞれの専門科を受診ください。

・高尿酸血症、痛風

・肝機能障害(専門的な診療は消化器内科を受診ください。)

・慢性胃炎や逆流性食道炎の継続処方(専門的な診療は消化器内科を受診ください。)

・慢性便秘や整腸薬等の継続処方(専門的な診療は消化器内科を受診ください。)

・過敏性腸症候群(過敏性腸症候群専門外来あり)

・甲状腺疾患の継続処方(専門的な診療は内分泌内科等を受診ください。)

・一型糖尿病の臨時処方または継続処方(糖尿病専門外来あり)

・気管支喘息の長期管理薬の継続処方(専門的な診療は呼吸器内科を受診ください。)

・通年性または季節性アレルギーの継続処方(専門的な診療はアレルギー科を受診ください。)

・検診異常の再検査、専門医紹介の相談、他、

一方で、当院は「一般内科」ではありません。循環器疾患の患者さんは感染症に掛かってしまうと重症化してしまう恐れがあります。院内感染対策の観点から、発熱や咳等の感染症を疑う症状を認める場合は原則的に一般内科等を受診ください。具体的には、発熱、インフルエンザ、咳等は「一般内科」、扁桃炎や副鼻腔炎等は「耳鼻咽喉科」、長引く咳や痰は「呼吸器内科」、吐気や下痢等は「消化器内科」をご受診ください。都内の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。


 

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