日本神経学会から「認知症疾患診療ガイドライン2017」が公開されました。

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html

日本神経学会から「認知症疾患診療ガイドライン2017」が公開されました。2002年の初版、2010年の改訂版を経て、今回が第3回目の改訂版です。なぜ、循環器内科のクリニックが認知症のガイドラインを取り上げるのかというと、認知症には様々な原因がありますが、アルツハイマー型認知症、レヴィー型認知症など様々な認知症の原因疾患がある中で、ほとんどが病態解明の途中または根本治療が確立していないというのが現状です。また一部、治療可能な認知症(Treatable Dementia)というのが存在しますが、予防可能かどうかという意味では、現在の医学において、明らかに予防可能な危険因子が確立されているものは脳血管性認知症が一番重要であり、脳卒中の予防こそが確実な認知症の予防法であると考えるからです。脳卒中の予防に関しては、動脈硬化のリスク、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、大量飲酒、心房細動等の不整脈、それぞれに対する適切な介入が重要であり、心筋梗塞予防、循環器内科とやるべきことはほぼ共通します。認知症とは、認知機能の障害という中核症状と、認知症の行動・心理症状(BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)を来す状態の総称です。原因疾患として、アルツハイマー型認知症、レヴィー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、進行型核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、嗜銀顆粒性認知症、神経原線維変化型老年期認知症、ハンチントン病、血管性認知症、プリオン病、内科的疾患として、ビタミンB1欠乏症として、ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、甲状腺機能低下症、神経梅毒、肝性脳症、正常圧水頭症、などがあります。治療可能な認知症(Treatable Dementia)としては、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、一部のビタミン欠乏症、脳炎や髄膜炎等の一部の感染症、アルコール性等の一部の薬剤性の認知機能低下などが鑑別として大切です。ただし、一部の治療可能な認知症を除いて、認知症を根本的に治す方法は確立していないので、認知症にならないようにすることが大事で、まさに予防に勝る治療なし、という言葉の通り、脳卒中の予防が重要です。そんなことを考え、循環器内科医になりました。院長の五十嵐が初期臨床研修を受けた公益財団法人老年病研究所の指導医の先生方も多く改訂に携わられているようで、懐かしい気持ちです。ちなみに、「神経内科」は、脳と神経を専門にしていることをよりわかりやすくするために「脳神経内科」という名前に最近変わったそうです。

https://www.neurology-jp.org/news/change_name.html

いずれにせよ、認知症専門医の受診が必要な場合には速やかに専門医へ紹介しています。お気軽にご相談ください。


【院長挨拶】

医療法人社団お茶会お茶の水循環器内科院長の五十嵐健祐と申します。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、医療法人化に伴い、循環器専門の医療機関として生まれ変わりました。我々の使命は「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」です。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、防ぐためには血管を守ることが重要です。血管を守るためには、具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続が大切です。一方で、現代人の生活スタイルとして、平日の日中に仕事や用事があることは普通のことであり、仕事をしながらの治療継続には大きな負担が伴います。我々はこのミスマッチを解決するために、夜間も土日も診療をオープンにし、心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を行っています。しかしながら残念なことに、土日や夜間に診療をしていると、我々の理念とは無関係に、ただ夜も空いているから、ただ土日もやっているから、ただ便利だからという理由だけで患者さんが殺到し過ぎてしまい、2018年冬、一時期は診療体制の維持が困難な事態に陥ってしまいました。

ミッション→https://ochanomizunaika.com/mission

2018年春、ゼロベースで、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもとに全ての診療体制の見直しを行いました。結果、循環器専門という選択と集中の意思決定に至り、2018年春に医療法人化に伴い、「お茶の水循環器内科」として生まれ変わりました。今後とも夜間も土日も診療をオープンにし、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続を実現していくことで、心筋梗塞と脳卒中を防ぎ、「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」、これが我々の使命です。詳しくは上記ページに医療法人社団お茶会のミッションをまとめましたのでご覧ください。新しく生まれ変わったお茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。

2018年4月1日、医療法人社団お茶会理事長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

当院は循環器専門の医療機関です。循環器とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、抗血小板療法、抗凝固療法、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器の診療範囲を具体的にまとめました。

・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)

・心筋梗塞後、ステント留置後の管理、抗血小板療法

・慢性心不全の管理

・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)

・人工弁置換術後の管理、抗凝固療法

・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)

・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)

・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防

・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防

・高血圧症、二次性高血圧症

・脂質異常症、家族性高コレステロール血症

・糖尿病、糖尿病合併症の管理

・慢性腎臓病

・睡眠時無呼吸症候群

・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など

以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は脳神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、どちらも血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。

【当院で対応していないもの】(2018/4/1更新)

2018/4/1以降、当院で対応していないものを具体的にまとめました。定期的に見直しを行っていますので、ご来院の前には必ずご確認ください。ご来院いただいても受付にて適切な診療科のご紹介の対応となることを予めご了承ください。下記に具体的にまとめましたので、診療科探しの際にご参考ください。

・風邪、インフルエンザ等→一般内科

・咳、痰等→呼吸器内科

・吐気、下痢、腹痛等→消化器内科

・花粉症、アレルギー等→耳鼻咽喉科、アレルギー科

・不眠、不安等→心療内科等

東京都の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。幸い、首都圏には夜間や土日も診療しているクリニックは当院以外にも最近少しづつ増えて来ています。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

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