2020/1/28(火)、単独の拡張期高血圧と心血管疾患の関係について調べた研究「Association of Isolated Diastolic Hypertension as Defined by the 2017 ACC/AHA Blood Pressure Guideline With Incident Cardiovascular Outcomes」の結果をまとめました。

2020/1/28(火)、単独の拡張期高血圧と心血管疾患の関係について調べた研究「Association of Isolated Diastolic Hypertension as Defined by the 2017 ACC/AHA Blood Pressure Guideline With Incident Cardiovascular Outcomes」の結果をまとめました。単独の拡張期高血圧(isolated diastolic hypertension: IDH)は、2017年、アメリカ心臓病学会(American College of Cardiology: ACC)/アメリカ心臓病協会(American Heart Association: AHA)のガイドラインにおいて、収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg以上、または、2003年のJNC(Joint National Committee)7の基準では、収縮期血圧140mmHg未満かつ拡張期血圧90mmHg以上と定義されています。IDHが心血管疾患に与える影響はどれほどか調べるために、2013年から2016年のNHANES(National Health and Nutrition Examination Survey)9590例、1990年から1992年のARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)Study8703例の2017年までのフォローアップを対象に解析しました。結果、拡張期高血圧の有病率は1.3-6.5%で、降圧薬による治療を要する拡張期高血圧は0.6%と見積もられました。中央値25.2年の追跡で、拡張期高血圧は、正常高血圧と比べて、動脈硬化性心血管疾患(atherosclerotic cardiovascular disease: ASCVD)1386例(HR 1.06 95%CI 0.89-1.26)、心不全1396例(HR 0.91 95%CI 0.76-1.09)、慢性腎臓病2433例(HR 0.98 95%CI 0.65-1.11)と、有意差を認めませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2759472
2019年に発表された研究「Effect of Systolic and Diastolic Blood Pressure on Cardiovascular Outcomes」では、130万人の解析の結果、収縮期高血圧、拡張期高血圧ともに心血管疾患のリスク因子であると結論しています。こちらの論文もまとめてみます。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1803180

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