2020/1/22(水)、若年期の血圧変動パターンと中年期の心血管疾患の関係を調べた研究「Association of Blood Pressure Patterns in Young Adulthood With Cardiovascular Disease and Mortality in Middle Age」の結果をまとめました。

2020/1/22(水)、若年期の血圧変動パターンと中年期の心血管疾患の関係を調べた研究「Association of Blood Pressure Patterns in Young Adulthood With Cardiovascular Disease and Mortality in Middle Age」の結果をまとめました。若年成人期から中年期(young adulthood to midlife)における外来受診時の血圧変動と中年期の心血管疾患、全死亡の関係を調べるために、前向きコホート研究「CARDIA( Coronary Artery Risk Development in Young Adults) Study」の登録者3394例、収縮期血圧のパターンを、開始時、2年後、5年後、7年後、10年後と測定し、外来受診間の収縮期血圧の変動(variability independent of the mean: VIM)のデータを1985年から2015年まで収集しました。解析の結果、10年後、平均年齢は35.6歳(SD 3.6)、103例(3.0%)は降圧薬を内服していました。中央値20.0年の追跡の結果、心血管疾患162例、死亡181例が発生、血圧変動が1SD増加した群の心血管疾患のハザード比は1.25倍 (95%CI 0.90-1.74)、平均収縮期血圧1.23(95% CI, 1.07-1.43)、外来受診間の血圧変動(variability independent of mean: VIM)1.23(95%CI 1.07-1.43)、年間の収縮期血圧の変動0.99(95% CI, 0.81-1.26)と関連を認めました。収縮期血圧の平均とは独立した変動性は、全死亡と唯一関連(HR 1.24 95%CI 1.09-1.41)を認めました。外来受診時の収縮期血圧の変動は、将来の心血管疾患のリスクや全死亡のリスクと関係していると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/article-abstract/2759256
平均値と独立した変動性(variability independent of mean: VIM)という指標がわかりにくいのですが、これは外来受診間の収縮期血圧の変動という意味のようです。毎回の外来受診時に血圧を測って、その値の変動が大きい人はそうでない人と比べて心血管疾患のリスクが高いことが明らかになったという研究結果です。あまりに血圧変動が大きい場合は二次性高血圧の除外、服薬アドヒアランスの再確認、食事運動の生活習慣の変化、環境変化などの把握も重要です。詳しくは主治医までご相談ください。

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