2020/3/9(月)、白血球数と血圧の関係を調べた研究「White Blood Cells and Blood Pressure: A Mendelian Randomization Study」の結果をまとめました。

2020/3/9(月)、白血球数と血圧の関係を調べた研究「White Blood Cells and Blood Pressure: A Mendelian Randomization Study」の結果をまとめました。高血圧(High blood pressure)は心血管罹患率と死亡率のリスク因子であり、腎機能、血管疾患、全身の自律神経系、臨床検査データ等において、免疫細胞は重要な役割を担っています。UKバイオバンクにおいて、白血球(white blood cell)と血圧(blood pressure)との関係を調べるために、リンパ球、単球、好中球と、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧を観察しました。一塩基多型SNPs 121例、逆分散分析(inverse-variance weighted: IVW)によって、白血球数と拡張期血圧(causal estimates 0.69 95%CI 0.19-1.20)、白血球数 1SDあたりの1 mmHg 0.56(95%CI 0.23-0.90)は双方向性に関連を認めました。メンデル分析ではSH2B3のrs3184504のSNPは除外しました。逆方向分析では、単球、好中球、好酸球は正の相関を認め、リンパ球、好塩基球は関連を認めませんでした。白血球のメンデル分析の結果、腎機能、安静時心拍数、運動後心拍数は、白血球数と尿中アルブミンクレアチニン比(urinary albumin to creatinine ratio)と関連を認めました。観察研究、遺伝子分析の結果、白血球数と収縮期血圧、拡張期血圧との正の因果関係を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.045102
白血球数と血圧の関係を調べようと考えたことはあまりありませんが、統計学的に関連があるという研究結果です。意外なところに研究のヒントは身近にあるんですね。


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