2020/3/27(金)、2型糖尿病で急性冠症候群に対して標準治療にApabetaloneを上乗せした転帰の効果「Effect of Apabetalone Added to Standard Therapy on Major Adverse Cardiovascular Events in Patients With Recent Acute Coronary Syndrome and Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial」の結果をまとめました。ブロモドメイン、末端外タンパク(Bromodomain and extraterminal proteins)は、遺伝子転写のエピジェネティック調節因子です。Apabetaloneは、ブロモドメイン2を標的とした選択的ブロモドメイン・末端外タンパク質阻害薬(selective bromodomain and extraterminal protein inhibitor)で、動脈硬化関連伝達に対して好ましい影響を及ぼす仮説があります。第2相試験では好ましい臨床転帰を示唆しました。apabetaloneは主要心血管有害事象を優位に減らすかどうかを調べるために、13カ国、190施設、無作為化二重盲検比較対照試験を実施しました。2015年から2019年まで、7-90日以内の急性冠症候群で、2型糖尿病、低HDLコレステロール値を対象、標準治療にapabetaloneを追加する群1215例、プラセボ群1210例とに割り振りました。一次転帰は心血管死、非致死性心筋梗塞、脳卒中の発生までの時間の複合としました。2425例、平均年齢62歳、女性25.6%、2320例の一次転帰を追跡完了しました。26.5月の追跡期間、274例の一次転帰が発生しました。apabetalone群125例(10.3%)、プラセボ群149例(12.4%)、(HR 0.82 95%CI 0.65-1.04 P=0.11)でした。apabetalone群で、肝機能障害を含む治療中断を多く(114 vs 69)認めました。急性冠症候群で、2型糖尿病、低HDLコレステロール値を認める例に対して、選択的ブロモドメイン・末端外タンパク阻害薬を標準治療に加えることは主要有害心血管事象を優位に減らしませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
→https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2763951
BETブロモドメイン阻害薬の治験です。急性冠症候群には効果を認めませんでした。
2020/3/27(金)、2型糖尿病で急性冠症候群に対して標準治療にApabetaloneを上乗せした転帰の効果「Effect of Apabetalone Added to Standard Therapy on Major Adverse Cardiovascular Events in Patients With Recent Acute Coronary Syndrome and Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial」の結果をまとめました。