2020/1/14(火)、血圧低下のためは高強度のインターバルトレーニングが良いか中強度の連続的トレーニングが良いか調べた研究「High-intensity interval training for reducing blood pressure: a randomized trial vs. moderate-intensity continuous training in males with overweight or obesity」の結果をまとめました。

2020/1/14(火)、血圧低下のためは高強度のインターバルトレーニングが良いか中強度の連続的トレーニングが良いか調べた研究「High-intensity interval training for reducing blood pressure: a randomized trial vs. moderate-intensity continuous training in males with overweight or obesity」の結果をまとめました。血圧低下のための至適な運動トレーニングについては十分にわかっていません。肥満または過体重の男性において、高度強度のインターバルトレーニング(high-intensity interval training: HIIT)と、中程度強度の連続的トレーニング(moderate-intensity continuous training: MICT)が血圧、血管スティフネスへ与える影響を調べました。18歳から45歳、BMI 25から35の男性28例を対象に、週3回定期的なサイクリング運動を6週間行いました。参加者は、最大運動量90-100%で1分間隔で運動を行うHIIT群、最大心拍数の65-75%で30分間運動を行うMICT群へ、運動量をマッチ、非盲検、無作為に割り振りました。大動脈動脈、上腕動脈の血圧と血管スティフネスを運動の前後で計測しました。血圧については両群間で有意差(all p > 0.21)を認めませんでした。HIIT群では、大動脈血圧(収縮期 −4.6、拡張期 −3.5 mmHg effect size d = −0.51/−0.40)、上腕血圧(−5.2/−4 mmHg d = −0.45/−0.47)の中程度の低下を認めました。MICT群では、拡張期血圧のみ低下(上腕血圧 −3.4 mmHg, d = −0.57; 大動脈血圧 −3 mmHg, d = −0.50)を認めました。血圧改善の大きさは、ベースラインの血圧と逆相関(r = −0.66 to −0.78)を認め、HITT群(r = −0.73 to −0.88)はMICT群(r = −0.43 to −0.61)と比べて、より強い相関を認めました。HIITは肥満および過体重において血圧低下に有効でした。運動トレーニングは大動脈血圧の低下においても有効でした。運動トレーニングの血圧降下作用はベースラインの血圧が高い例においてより有効で、中程度強度の連続的トレーニングよりも、高度強度のインターバルトレーニングのほうが高い相関を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nature.com/articles/s41440-019-0392-6
肥満または過体重の男性において、最大運動量の90-100%で1分間隔のインターバルトレーニングのほうが、最大心拍数の65-75%で30分間運動を行うトレーニングよりも、血圧降下に有効であったという報告です。血圧降下というと、中程度の有酸素運動が指導されることが多いですが、より運動強度が高い運動も有効との報告です。


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