2020/4/9、深層ニューラルネットワークによる12誘導心電図の自動診断についての研究「Automatic diagnosis of the 12-lead ECG using a deep neural network」の結果をまとめました。

2020/4/9、深層ニューラルネットワークによる12誘導心電図の自動診断についての研究「Automatic diagnosis of the 12-lead ECG using a deep neural network」の結果をまとめました。実臨床における心電図の自動解析の精度は十分にはわかっていませんでした。深層ニューラルネットワークは教師データから学習し、積み上げ式に成長、構成されるモデルです。最近は様々なタスクで成功し、実臨床においても大きな期待をされています。「CODE」(Clinical Outcomes in Digital Electrocardiology)研究、2百万例ラベルのデータセットから、「Telehealth Network of Minas Gerais」の解析、深層ニューラルネットワークのトレーニングを実施しました。深層ニューラルネットワークモデルは、12誘導心電図記録の読影において、6タイプの異常所見の認識において、循環器内科レジデント医師(cardiology resident medical doctors)よりも優れていました。F1スコアは80%以上、特異度は99%以上でした。深層ニューラルネットワークによる心電図解析は、先行研究としては単極誘導の研究、12誘導心電図においても一般化可能で、技術が標準的な実臨床に近付いて来ていると言えるでしょうと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-15432-4
今回、深層ニューラルネットワークで学習された6種類の心電図異常とは以下の6つのとのことです。
1st degree AV block (1dAVb)
right bundle branch block (RBBB)
left bundle branch block (LBBB)
sinus bradycardia (SB)
atrial fibrillation (AF)
sinus tachycardia (ST)
この中で実臨床上、鑑別が重要となるのは心房細動(atrial fibrillation: AF)かどうかです。他の5つのタイプの心電図異常も循環器内科医であれば見ればわかる程度のものなので、そこまで有り難みはないですが、健診やスクリーニングとしては有用だと思います。心電図の自動診断は偽陰性を恐れるあまりかオーバートリアージであることが多いので、実臨床としては特異度の高さも重要なところです。


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