2020/7/9、日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」が発表されました。

2020/7/9、日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」が発表されました。
http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=191
見解の内容を抜粋すると、
「今般、一部のクリニック等において、2型糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬を、 適応外使用である美容・痩身・ダイエット等を目的として自由診療での処方を宣伝する医療広告が散見されます。我が国において2020年7月時点で、一部のGLP-1受容体作動薬に ついては、健康障害リスクの高い肥満症患者に対する臨床試験が実施されていますが、その結果はまだ出ていません。したがって、2型糖尿病治療以外を適応症として承認されたGLP1受容体作動薬は存在せず、美容・痩身・ダイエット等を目的とする適応外使用に関して、 2型糖尿病を有さない日本人における安全性と有効性は確認されていません。医師とくに本学会員においては、不適切な薬物療法によって患者さんの健康を脅かす危険を常に念頭に置き、誤解を招きかねない不適切な広告表示を厳に戒め、国内承認状況を踏まえた薬剤の適正な処方を行ってください。また、特に本学会専門医による不適切な薬剤使用の推奨は、糖尿病専門医に対する国民の信頼を毀損するもので本学会として認められるものでないことを警告します。以上」
と、なかなかの強い口調で強調しています。詳しくは日本糖尿病学会のホームページをご覧ください。
http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/jds_statement_GLP-1.pdf
当院は美容目的、ダイエット目的のGLP-1受容体作動薬の処方は行っていません。勿論、安全性の確認されていない適応外使用は控えるべきでしょう。
一方で、GLP-1受容体作動薬は最近の研究結果では、糖尿病の新規発症予防、肥満症予防、心血管疾患予防効果が確実にあることが明らかになって来ており、薬自体は特に悪い薬ではないことがわかって来ています。ダイエットの薬と言うと聞こえは悪いですが、肥満は生活習慣病の大きなリスク因子でもあることも事実なので、生活習慣病予防薬、心疾患予防薬として日の目を見る時期も近いのではないかと感じています。


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