2020/9/18、冠動脈病変評価の診断精度において冠動脈内光干渉断層法と冠動脈造影による冠血流予備量比を比較した研究「Diagnostic performance of intracoronary optical coherence tomography-based versus angiography-based fractional flow reserve for the evaluation of coronary lesions」の要旨をまとめました。

2020/9/18、冠動脈病変評価の診断精度において冠動脈内光干渉断層法と冠動脈造影による冠血流予備量比を比較した研究「Diagnostic performance of intracoronary optical coherence tomography-based versus angiography-based fractional flow reserve for the evaluation of coronary lesions」の要旨をまとめました。非選択例において光干渉断層法(Optical coherence tomography: OCT)による光干渉血流比(optical flow ratio: OFR)の診断精度を評価、カテーテルによる冠血流予備量比を標準対照群として用いた場合、冠動脈造影による定量的血流比(quantitative flow ratio: OFR)と比較するために、血行再建前、光干渉断層法、冠血流予備量比の評価を解析しました。光干渉血流比と定量的血流比をコンピュータによって盲検化、虚血の定義として0.80以下のカットオフ値、同一の定義を適応、冠血流予備量比を比較しました。181例、212血管、光干渉血流比と定量的血流比を比較しました。平均冠血流比予備量比は0.82、40.1%が冠血流予備量比0.80以下でした。光干渉血流比は定量的血流比と比べて、冠血流比予備量比と有意に高い一致率(r=0.87 versus 0.77, p<0.001; SD of the difference=0.05 versus 0.07, p<0.001)を認めました。曲線下面積は、光干渉血流比0.97、定量的血流比よりも高値(difference=0.05, p=0.017)、最小内腔面積の高い一致率(difference=0.15, p<0.001)、経狭窄(difference=0.17, p<0.001)を認めました。光干渉血流比の冠血流比予備量比80%未満同定の診断精度、感度、特異度、陽性的中率、陰性適中率、陽性尤度比、陰性尤度比はそれぞれ、92%、86%、95%、92%、91%、18.2、0.2でした。光干渉血流比の診断精度は心筋梗塞関連血管(95% versus 90%, p=0.456)、過去の留置ステントの有無(90% versus 93%, p=0.669)の有意差を認めませんでした。結論、冠動脈疾患において、光干渉血流比は冠血流比予備量比と優れた一致率を認めました。光干渉血流比は、定量的血流比よりも優れており、従来の形態学的指標と比べて、冠動脈狭窄の診断において良好でした。光干渉血流比の診断精度は過去の心筋梗塞、留置ステントの影響を受けませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31951207
光干渉断層法による光干渉血流比の測定は冠血流比予備量比と高い一致率であったという報告です。


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