2020/10/27、脳卒中後の家庭テレリハビリテーションの効果について調べた研究「Effects of home-based telerehabilitation in patients with stroke A randomized controlled trial」の要旨をまとめました。

2020/10/27、脳卒中後の家庭テレリハビリテーションの効果について調べた研究「Effects of home-based telerehabilitation in patients with stroke A randomized controlled trial」の要旨をまとめました。皮質下脳卒中を対象に、運動機能評価、マルチモダリティMRI解析法の組み合わせによって、12週間の家庭モニタートレーニングテレリハビリテーション(home-based motor training telerehabilitation)プログラムの効果を調べるために、脳卒中、片麻痺、52例を対象に、家庭運動トレーニングテレリハビリテーション群、従来リハビリテーション群に無作為に割り振り、12週間追跡しました。上肢、下肢、に対して「FMA」(Fugl-Meyer assessment)、修正バーゼルインデックス(modified Barthel Index)を主要評価項目として使用しました。副次評価項目は、両側一次運動野(primary motor cortex: M1)灰白質領域、皮質脊髄路(corticospinal tract)の白質統合性、安静時機能統合性(resting-state functional connectivity: rsFC)としました。家庭運動トレーニングテレリハビリテーションプログラムの神経機能回復、脳可塑性(brain plasticity)に与える影響について共変量解析を実施しました。結果、リハビリテーション終了時、従来リハビリテーション群と比べて、テレリハビリテーション群はFMAの有意な改善(p = 0.011)、M1-M1安静時機能統合性の有意な増加(p = 0.031)を認めました。テレリハビリテーション群において、M1-M1安静時機能統合性の変化はFMAの変化と有意な正の相関関係(p = 0.018)を認めました。脳卒中後の運動機能に対して家庭運動トレーニングテレリハビリテーションプログラムの有益な影響を認め、M1領域の両半球間機能の統合性の向上を反映していました。自宅において専門家のリハビリテーションを受けることは、実行可能、安全、効果的であると推測しています。脳卒中後、画像バイオマーカーを使用を組み合わせることは、臨床研究における運動トレーニングにおいては考慮すべきでしょう。本研究のエビデンス分類はクラスIIエビデンス、脳卒中、片麻痺、家庭テレリハビリテーションは、従来のリハビリテーションと比べて、運動機能検査を有意に改善しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://n.neurology.org/content/95/17/e2318
遠隔リハビリテーション(telerehabilitation)、従来のリハビリテーションと比べて、運動機能の改善に有用であったという論文です。家庭リハビリテーションは医療機関へ通院の必要がないため、実行しやすく(feasible)、感染症のリスクもなく(safe)、効果的(efficacious)であったと報告しています。


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