2015/2/23、サウナ浴と致死的心血管、全死亡事象の関係について調べたフィンランドの研究「Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events」の要旨をまとめました。サウナ浴の頻度、期間と、心臓突然死、致死的冠動脈心疾患、致死的心血管疾患、全死亡リスクの関係を調べるために、フィンランド東部、42歳から60歳、男性2315例を対象に、前向きコホート研究「Finnish Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study」を実施しました。1984年から1989年、登録開始、登録時のサウナ浴の頻度と期間を収集、中央値20.7年間追跡しました。結果、追跡期間中、心臓突然死190例、致死的冠動脈心疾患281例、致死的心血管疾患407例、全死亡929例発生しました。全体うち、サウナ浴の頻度は、週1回601例(26.0%)、週2-3回1513例(65.3%)、週4-7回201例(8.7%)でした。サウナ浴の頻度と心臓突然死の発生数は、週1回61例(10.1%)、週203回119例(7.8%)、週4-7回(5.0%)でした。致死的冠動脈心疾患は、週1回89例(14.9%)、週2-3回175例(11.5%)、週4-7回17例(8.5%)、致死的心血管疾患は週1回134例(22.3%)、週2-3回249例(16.4%)、週4-7回24例(12.0%)、全死亡は週1回295例(49.1%)、週2-3回572例(37.8%)、週4-7回(30.8%)でした。心血管疾患危険因子調整後、心臓突然死のハザード比は、サウナ浴週1回の群と比べて、週2-3回の群0.78(95% CI, 0.57-1.07)、週4-7回の群0.37(95% CI, 0.18-0.75)、有意差(P for trend = 0.005)を認めました。同様の関係は冠動脈心疾患、心血管疾患、全死亡においても有意差(P for trend ≤0.005)を認めました。致死的冠動脈心疾患リスクは週2-3回23%減少、週4-7回48%減少、有意差あり(P for trend = 0.005)、心血管疾患リスクは週2-3回27%減少、週4-7回50%減少、有意差あり(P for trend < .001)、全死亡リスクは週4-7回40%減少を認めました。サウナ浴の期間について、11分未満と比べて、心臓突然死のハザード比は、11分から19分0.93(95% CI, 0.67-1.28)、19分以上0.48(95% CI, 0.31-0.75)、有意差(P for trend = 0.002)を認めました。致死的冠動脈心疾患、致死的心血管疾患においても有意な関係(P for trend ≤.03)を認めましたが、全死亡に関してはそうではありませんでした。サウナ浴の頻度が多いことは心臓突然死、冠動脈心疾患、心血管疾患、全死亡リスク減少と関連を認めました。サウナ浴と心血管健康の関係の潜在的なメカニズムを確立するためにはさらなる研究が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2130724
サウナ浴と心疾患の関係について調べたフィンランドの研究です。サウナに週4-7回入る人は、週1回以下の人と比べて、心臓突然死63%減少、冠動脈心疾患48%減少、心血管疾患50%減少、全死亡40%減少を認めたとの報告です。フィンランドには週4-7回サウナに入る人が8.7%、週2-3回の人も含めると、74%もいるとは驚きです。サウナ浴の温度と時間の平均は78.9度、14.2分とのことで、日本と比べて中温のサウナにゆっくりと入ることが多いようです。
2015/2/23、サウナ浴と致死的心血管、全死亡事象の関係について調べたフィンランドの研究「Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events」の要旨をまとめました。