2021/3/30、2型糖尿病において血糖降下薬の処方とCOVID-19死亡率の関係について調べたイギリスの研究「Prescription of glucose-lowering therapies and risk of COVID-19 mortality in people with type 2 diabetes: a nationwide observational study in England」の結果が発表されました。

2021/3/30、2型糖尿病において血糖降下薬の処方とCOVID-19死亡率の関係について調べたイギリスの研究「Prescription of glucose-lowering therapies and risk of COVID-19 mortality in people with type 2 diabetes: a nationwide observational study in England」の結果が発表されました。いくつかの血糖降下薬の投与はCOVID-19関連死亡率と関係を認めましたが、リスク差は小さく、また2型糖尿病の病状悪化に対して異なる戦略で異なるクラスの薬剤を使用しているという視点において、所見は交絡因子に由来している可能性もあります。COVID-19流行の背景において、2型糖尿病の血糖降下薬を変更すべきかについては十分に明確になっていません。
https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(21)00050-4/fulltext
具体的には、投与ありと投与なしの調整後ハザード比は、メトホルミン0·77(95% CI 0·73–0·81)、インスリン1·42(1·35–1·49)、グリニド0·75(0·48–1·17)、SGLT2阻害薬0·82(0·74–0·91)、チアゾリジン0·94(0·82–1·07)、SU薬0·94(0·89–0·99)、GLP-1受容体刺激薬0·94(0·83–1·07)、DPP4阻害薬1·07(1·01–1·13)、αグルコシダーゼ阻害薬1·26(0·76–2·09)との報告です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0421536149

全体としては、経口血糖降下薬にて死亡率が減少傾向で、特にグリニド25%減少、メトホルミン23%減少、SGLT2阻害薬18%減少あたりは良いように見えます。逆にインスリンは調整後ハザード比42%増加していますが、インスリンが必要なくらいコントロール不良の糖尿病ということにも解釈が出来ますので、インスリンがいけないというよりは糖尿病のコントロール自体が重要と言うことも出来るでしょう。詳しくは主治医へご相談ください。

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