2021/9/27、心房細動以外の不整脈とスマートウォッチの不整脈検出について調べた研究「Arrhythmias Other Than Atrial Fibrillation in Those With an Irregular Pulse Detected With a Smartwatch: Findings From the Apple Heart Study」の結果が発表されました。

2021/9/27、心房細動以外の不整脈とスマートウォッチの不整脈検出について調べた研究「Arrhythmias Other Than Atrial Fibrillation in Those With an Irregular Pulse Detected With a Smartwatch: Findings From the Apple Heart Study」の結果が発表されました。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCEP.121.010063
「Apple Heart Study」からの報告です。アップルウォッチの心電図はI誘導に相当するので、ノイズがなく正確に記録されていれば、上室期外収縮、心室期外収縮、心室頻拍等も原理的には全て記録が可能なはずです。今回、実際に検出可能であったとの報告です。
アップルウォッチの不整脈波の検出アルゴリズムは、心房細動の同定において陽性的中率0.84と報告されています。スマートウォッチにて検出された不整脈波のうち心房細動以外の不整脈の有病率を調べました。「Apple Heart Study」は心房細動同定のためのスマートウォッチによる不整脈波の通知アルゴリズムについて調べました。二次解析として、不整脈波通知後、自由行動下心電図パッチを受けた参加者を解析しました。心電図パッチにて心房細動同定された参加者、心電図パッチにて他の不整脈を認めた参加者は除外しました。その後自己申告で心房細動の診断を受けた参加者の割合を報告しました。結果、「Apple Heart Study」の登録者419297例のうち、450例の参加者の心電図パッチを解析、297例(66%)心電図パッチは心房細動ではありませんでした。非心房細動の不整脈(30拍未満の上室性頻拍、3秒未満の静止を除外)、心房細動以外の心電図パッチ、119例(40.1%)が検出されました。最も頻度の高い不整脈は、頻発性上室期外収縮(1%以上5%未満15.8%、5%以上15%未満8.8%)、心房頻拍(30拍以上)、頻発性心室期外収縮(1%以上5%未満6.1%、5%以上15%未満2.27%)、非持続性心室頻拍(4-7拍6.4%、8拍以上3.7%)でした。249例は心電図パッチ、自己報告データにて心房細動は検出されませんでした。76例(30.5%)はその後心房細動の診断に至りました。アップルウォッチにて不整脈波通知を認め、心電図パッチで心房細動を認めなかった参加者において、心房性不整脈、心室性不整脈、ほとんどは上室期外収縮、心室性不整脈を40%に認めました。心房細動以外の不整脈の検出を認めた例に対する最適なケアは、心房細動の検出と同様に、さらなる研究、実装、改善が大切です。

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