閉塞性肥大型心筋症、心筋ミオシン阻害薬「aficamten」の第3相臨床試験が成功しました。

閉塞性肥大型心筋症、心筋ミオシン阻害薬「aficamten」の第3相臨床試験が成功しました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/202406/584670.html
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2401424
閉塞性肥大型心筋症の運動耐容能、制限症状の主要な決定因子の一つは、左室流出路閉塞による心腔内圧の上昇です。「aficamten」は心筋過収縮の緩和によって左室流出路圧較差を減少させる経口選択的心筋ミオシン阻害薬です。
成人症候性閉塞性肥大型心筋症、aficamten群(開始量5mg、最大量20mg)、プラセボ群、無作為化、心エコー結果にて投与量調節、24週間追跡、第3相二重盲検試験を実施しました。主要評価項目は24週間後、運動負荷心エコー検査にて評価した最大酸素摂取量のベースラインからの変化としました。10項目の事前設定副次項目(段階的に評価)は、カンサスシティ心筋症質問票臨床サマリースコア(KCCQ-CSS)の変化、ニューヨーク心臓病協会心機能分類(NYHA)の改善、バルサルバ手技後の圧較差の変化、バルサルバ手技後の圧較差20mmHg未満の発生、中隔縮小治療登録までの期間(全項目24週間後に評価)、KCCQ-CSSの変化率、NYHA心機能分類の改善、バルサルバ手技後の圧較差の変化、バルサルバ手技後の圧較差20mmHg未満の発生(12週間後に評価)、24週間後に心肺運動負荷試験にて総運動量の変化を評価しました。
結果、全282例参加、aficamten群142例、プラセボ群140例に無作為化しました。平均年齢59.1歳、男性59.2歳、ベースラインの安静時平均左室流出路圧較差55.1mmHg、ベースラインの平均左室駆出率74.8%でした。24週間後、最大酸素摂取量の平均変化はaficamten群1.8ml/kg/min(95%CI 1.2 to 2.3)、プラセボ群0.0ml/kg/min(95% CI −0.5 to 0.5)、最小二乗平均群間差1.7ml/kg/min(95% CI 1.0 to 2.4; P<0.001)を認めました。全10副次評価項目の結果、aficamten群はプラセボ群と比較して有意な改善を認めました。有害事象の発生率は両群で同等でした。
症候性閉塞性肥大型心筋症、aficamten投与はプラセボ群と比較して最大酸素摂取量の有意で顕著な改善を認めました。

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