厚生労働省から平成30年度診療報酬改定について告示されました。

本日2018/3/5(月)、厚生労働省から平成30年度診療報酬改定について告示されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html

当院のような無床の一般診療所に関係するところはいくつかあるのですが、まずは「オンライン診療料」の該当箇所をまとめました。

要点を言うと、オンライン診療料の適応について、算定要件(2)「対象となる管理料等を初めて算定してから6月の間は毎月同一の医師により対面診療を行っている場合に限り算定する。ただし当該管理料等を初めて算定した月から6月以上経過している場合は、直近12月以内に6回以上、同一医師と対面診療を行っていればよい。」とあるように、従来からの「初診から6ヶ月毎月診療」という厳しい条件に加えて、特定疾患療養管理料等の管理料を算定していて初診から6ヶ月以上経過している場合には、「直近12ヶ月のうち6回以上」と、2ヶ月に1回程度の頻度の通院でもオンライン診療の適応として良い、という緩い条件も加わったことで、オンライン診療の適応が広がったものと言えます。

しかしながら、算定要件(3)「対面診療の間隔は3月以内」という決まりは変わらなかったことから、病状が安定していると主治医が判断した場合に、もともと3ヶ月処方を基本とする当院にとっては、あまり影響のないものと考えます。むしろ「3ヶ月を超えてオンライン診療を行うこと」が今後出来なくなりました。毎月や一ヶ月半毎に一回程度の頻度の通院が多い医療機関に通院中の患者さんにとっては3ヶ月以内であればオンライン診療との組み合わせで良いとなったことは、通院継続の負担軽減にとってプラスになるのかも知れません。

以上の理由から、当院においては、今まで通り、3ヶ月に一回は通院するという方針で大きな影響はありません。

詳しくは、厚生労働省保険局医療課「平成30年度診療報酬改定の概要医科Ⅰ平成30年3月5日版」をご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977_1.pdf

資料147ページ目から152ページ目までが該当部分です。下記に原文を文字起こしましたので、どうぞご参考ください。

算定要件の「当該管理料等」という表現は若干わかりにくいのですが、具体的には、「特定疾患療養管理料、地域包括診療料、小児科療養指導料、認知症地域包括診療料、てんかん指導料、生活習慣病管理料、難病外来指導管理料、在宅時医学総合管理料、糖尿病透析予防指導管理料、精神科在宅患者支援管理料」の10項目の管理料のことを指しています。その中でも、一般の診療所で最も多く、身近なものが「特定疾患療養管理料」です。具体的には、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などを始めとする多くの慢性疾患が対象範囲です。具体的には、

結核/悪性新生物/甲状腺障害/処置後甲状腺機能低下症/糖尿病/スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害/ムコ脂質症/リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症/リポジストロフィー/ローノア・ベンソード腺脂肪腫症/高血圧性疾患/虚血性心疾患/不整脈/心不全/脳血管疾患/一過性脳虚血発作及び関連症候群/単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎/詳細不明の慢性気管支炎/その他の慢性閉塞性肺疾患/肺気腫/喘息/喘息発作重積状態/気管支拡張症/胃潰瘍/十二指腸潰瘍/胃炎及び十二指腸炎/肝疾患(経過が慢性なものに限る)/慢性ウイルス肝炎/アルコール性慢性膵炎/その他の慢性膵炎/思春期早発症/性染色体異常、

以上が特定疾患療養管理料の対象範囲となります。下記ページから引用させていただきました。

https://medical.mt-pharma.co.jp/support/sh-manual/pdf_2016/sh_03.pdf

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken15/dl/2-25-2.pdf

「特定疾患療養管理料」の次に一般的なものがおそらく「在宅時医学総合管理料」ですが、当院は在宅医療を行っていないため、割愛させていただきます。

また、一部の業者でオンライン診療で診療料とは別に「予約料」を徴収しているところあったようですが、療養担当規則が改正され、下記のようにオンライン診療において予約料の徴収することは療養担当規則違反になりましたので、ご注意ください。

「予約に基づく診察に関する事項

(1) 予約診察による特別の料金の徴収については、当該予約診察が保険医療機関において対面で行われるものでなければ認められないものであること。」

詳しくは、下記資料17ページをご覧ください。

保医発0305第6号平成30年3月5日「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について→http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=519647&name=file%2F06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku%2F0000196282.pdf


オンライン診療料の新設

情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン診療料を新設する。

(新) オンライン診療料 70点(1月につき)

[算定要件]

(1) オンライン診療料が算定可能な患者に対して、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いてオンラインによる診察を行った場合に算定。ただし、連続する3月は算定できない。

(2) 対象となる管理料等を初めて算定してから6月の間は毎月同一の医師により対面診療を行っている場合に限り算定する。ただし当該管理料等を初めて算定した月から6月以上経過している場合は、直近12月以内に6回以上、同一医師と対面診療を行っていればよい。

(3) 患者の同意を得た上で、対面による診療(対面診療の間隔は3月以内)とオンラインによる診察を組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行う。

(4) オンライン診察は、当該保険医療機関内において行う。また、オンライン診察を行う際には、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う。

(5) オンライン診療料を算定した同一月に、第2章第1部の各区分に規定する医学管理等は算定できない。また、当該診察を行う際には、予約に基づく診察による特別の料金の徴収はできない。

[施設基準]

(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う体制を有すること。

(2) オンライン診療料の算定患者について、緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関が対面による診察が可能な体制を有していること。

(3) 一月あたりの再診料等(電話等による再診は除く)及びオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が1割以下であること。

[オンライン診療料が算定可能な患者]

以下に掲げる管理料等を算定している初診以外の患者で、かつ当該管理料等を初めて算定した月から6月以上を経過した患者。

特定疾患療養管理料、地域包括診療料、小児科療養指導料、認知症地域包括診療料、てんかん指導料、生活習慣病管理料、難病外来指導管理料、在宅時医学総合管理料、糖尿病透析予防指導管理料、精神科在宅患者支援管理料


オンライン医学管理料の新設

情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン医学管理料を新設する。

(新) オンライン医学管理料 100点(1月につき)

[算定要件]

(1) オンライン医学管理料の対象となる管理料を算定している患者に対し、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いてオンラインによる医学管理を行った場合に、前回対面受診月の翌月から今回対面受診月の前月までの期間が2月以内の場合に限り、次回対面受診時に所定の管理料に合わせて算定。

(2) 対面診療で管理料等を算定する月においては、オンライン医学管理料は算定できない。

(3) 対象となる管理料等を初めて算定してから6月の間は毎月同一の医師により対面診療を行っている場合に限り算定する。ただし当該管理料等を初めて算定した月から6月以上経過している場合は、直近12月以内に6回以上、同一医師と対面診療を行っていればよい。

(4) 患者の同意を得た上で、対面による診療(対面診療の間隔は3月以内)とオンラインによる診察を組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行う。

(5) オンライン診察による計画的な療養上の医学管理は、当該保険医療機関内において行う。また、当該管理を行う際には、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う。

[施設基準]

オンライン診療料の施設基準を満たしていること。

[オンライン診療料が算定可能な患者]

以下に掲げる管理料等を算定している初診以外の患者で、かつ、当該管理料等を初めて算定した月から6月以上を経過した患者。

特定疾患療養管理料、地域包括診療料、小児科療養指導料、認知症地域包括診療料、てんかん指導料、生活習慣病管理料、難病外来指導管理料、在宅時医学総合管理料、糖尿病透析予防指導管理料、精神科在宅患者支援管理料


オンライン在宅管理料の新設

情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン在宅管理料等を新設する。

(新) 在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料 100点(1月につき)

[算定要件]

(1) 患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に定期的な訪問診療を1回のみ行い、かつ、当該月において訪問診療を行った日以外に、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に、在宅時医学総合管理料の所定点数に加えて算定する。ただし、連続する3月は算定できない。

(2) 対象となる管理料を初めて算定してから6月の間は毎月同一の医師により対面診療を行っている場合に限り算定する。ただし当該管理料を初めて算定した月から6月以上経過している場合は、直近12月以内に6回以上、同一医師と対面診療を行っていればよい。

[施設基準]

オンライン診療料の施設基準を満たしていること。

[オンライン在宅管理料が算定可能な患者]

在宅時医学総合管理料を算定している初診以外の患者で、かつ、当該管理料を初めて算定した月から6月以上を経過した患者。


(新) 精神科在宅患者支援管理料 精神科オンライン在宅管理料 100点(1月につき)

[算定要件]

(1) 患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に、当該月において訪問診療を行った日以外に、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に、精神科在宅患者支援管理料の所定点数に加えて算定する。ただし、連続する3月は算定できない。

(2) 対象となる管理料を初めて算定してから6月の間は毎月同一の医師により対面診療を行っている場合に限り算定する。ただし当該管理料を初めて算定した月から6月以上経過している場合は、直近12月以内に6回以上、同一医師と対面診療を行っていればよい。

[施設基準]

オンライン診療料の施設基準を満たしていること。

[精神科オンライン在宅管理料が算定可能な患者]

精神科在宅患者支援管理料を算定している初診以外の患者で、かつ、当該管理料を初めて算定した月から6月以上を経過した患者。


電話等による再診の要件の見直し

電話等による再診について、患者等から電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合に算定が可能であるとの取扱いがより明確になるよう、要件を見直す。

[算定要件]

(1) 当該保険医療機関で初診を受けた患者について、再診以後、当該患者又はその看護に当たっている者から直接又は間接(電話、テレビ画像等による場合を含む。)に、治療上の意見を求められた場合に、必要な指示をしたときには、再診料を算定できる。なお、定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できない。ただし、平成30年3月31日以前に、3月以上継続して定期的に、電話、テレビ画像等による再診料を算定していた患者については、当該医学管理を前提とした医学管理に係る一連の診療が終了するまでの間、当該再診料を引き続き算定することができる。その場合には、時間外加算、休日加算、深夜加算又は夜間・早朝等加算は算定できない。

(2) 当該再診料を算定する際には、第2章第1部の各区分に規定する医学管理等は算定できない。

(3) 当該再診料を算定する際には、予約に基づく診察による特別の料金の徴収はできない。


遠隔モニタリング加算の新設

在宅酸素療法指導管理料及び在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料について、情報通信機器等を併用した指導管理を評価する観点から、遠隔モニタリング加算を新設する。

(新) 在宅酸素療法指導管理料 遠隔モニタリング加算 150点(1月につき)

(新) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 遠隔モニタリング加算 150点(1月につき)

[算定要件]

(1) 前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間、情報通信機器を活用した遠隔モニタリングを活用し、療養上必要な指導を行った場合、遠隔モニタリング加算として、2月を限度として所定点数に加算。

(2) 患者の同意を得た上で、対面による診療と遠隔モニタリングを組み合わせた療養計画を作成し、当該計画に基づき診察を行った上で、その内容を診療録に添付している。

(3) 対面診療の間に、適切な指導・管理を行い、状況に応じて適宜患者に来院等を促す等の対応を行うこと。

(4) 少なくとも月1回は、モニタリングにより得られた臨床所見等を診療録に記載しており、また、必要な指導を行った際には、当該指導内容を診療録に記載していること。

(5) 当該管理を行う際には、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う。

[施設基準]

(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う体制を有する保険医療機関であること。

(2) オンライン診療料の算定患者について、緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関が対面による診察が可能な体制を有していること。


当院は循環器専門の医療機関です。循環器科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器科の診療範囲を具体的にまとめました。

【循環器科の診療範囲】

・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)

・心筋梗塞後の管理、抗血小板療法

・慢性心不全の管理

・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)

・人工弁置換術後の管理、抗凝固療法

・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)

・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)

・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防

・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防

・高血圧症、二次性高血圧症

・脂質異常症、家族性高コレステロール血症

・糖尿病、糖尿病合併症の管理

・慢性腎臓病

・睡眠時無呼吸症候群

・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など

以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器科と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。

【循環器以外で対応しているもの】

循環器以外で対応しているものをまとめました。

【アンケート】お茶の水循環器科にやってほしいこと→https://goo.gl/thCnVu

アンケートの結果、ご要望の多いものに関しては出来る範囲でやっていく方針としました。確定診断、鑑別診断、専門的な治療、最先端の治療等、専門的な診療はそれぞれの専門科を受診ください。受付または医師の判断でご紹介となることもありますが、予めご了承ください。

・高尿酸血症、痛風

・肝機能障害(専門的な診療は消化器内科を紹介しています。)

・慢性胃炎や逆流性食道炎の継続処方(専門的な診療は消化器内科を紹介しています。)

・慢性便秘や整腸薬等の継続処方(専門的な診療は消化器内科を紹介しています。)

・過敏性腸症候群(過敏性腸症候群専門外来あり。)

・一型糖尿病の臨時処方または継続処方(糖尿病専門外来あり。)

・甲状腺疾患の継続処方(専門的な診療は内分泌内科等を紹介しています。)

・気管支喘息の長期管理薬の継続処方(専門的な診療は呼吸器内科を紹介しています。)

・通年性または季節性アレルギーの継続処方(専門的な診療はアレルギー科を紹介しています。)

・検診異常の再検査、専門医の紹介、他、

【アンケート】お茶の水循環器科にやってほしいこと→https://goo.gl/thCnVu

その他にお茶の水循環器科にやってほしいこと、アンケートを実施中です。出来ること、出来ないこと、ありますが、可能な限りご要望を反映して行きたいと考えています。ぜひご要望をお聞かせいただけますと嬉しいです。

【当院で対応していないもの】

下記に当院で対応していないものをまとめました。来院の前に必ずご確認ください。またご来院いただいても、原則的に適切な診療科のご紹介となることを予めご了承ください。下記に具体的にまとめましたので、医療機関探しの際にはご参考ください。

・発熱、インフルエンザ等→一般内科

・喉痛み、鼻づまり等→耳鼻咽喉科

・咳、痰等→呼吸器内科

・吐気、下痢、腹痛等→消化器内科

・アレルギー症状等→アレルギー科

・不眠、不安等→心療内科

・小児→小児科

・皮膚→皮膚科

・循環器とは無関係な健康相談等→総合診療科

都内の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。当院は循環器専門の医療機関です。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。


 

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