脂質異常症治療薬「パルモディア」の添付文書が改訂されました。

脂質異常症治療薬「パルモディア」の添付文書が改訂されました。脂質異常症になくてはならないスタチンという薬とフィブラートという薬があります。スタチンが主に悪玉コレステロールを下げるのに対し、フィブラートは主に中性脂肪を下げるのが特徴です。実臨床では、悪玉コレステロールと中性脂肪の両方が高く、両方を下げたい方がしばしばいるのですが、スタチンとフィブラートと併用すると横紋筋融解症という副作用が増えるとされ、添付文書では「原則禁忌」と記載されており、原則併用が出来ませんでした。今年2018/6/1に発売された「パルモディア」という薬は、フィブラート系に分類されるのですが、スタチンとの薬物相互作用の検討で双方の薬剤血中濃度に変化がないことが確認された、とのデータに基づき、スタチンの併用に関しては「重要な基本的注意」という記載となり、「原則禁忌」ではなくなりました。スタチンとフィブラートは今までずっと併用禁忌とされていたものが禁忌という記載がなくなることは画期的な改訂で、悪玉コレステロールも中性脂肪も両方下げたい方にとっては良い知らせなのではないかと思います。なお、パルモディアは「新医薬品のため2019年5月末日まで1回14日分を限度として投薬すること。」という2週間の処方制限があるのですが、2019/6/1から長期処方解除となり、その後のは使いやすくなるのではないかと考えています。脂質異常症について以前まとめを作りましたので、ご参考ください。

脂質異常症→https://ochanai.com/dyslipidemia

検診等で脂質異常症を指摘されている方は一度ご相談ください。


【お茶の水循環器内科になりました】

2018年9月、お茶の水循環器内科は5年目を迎えました。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関に生まれ変わりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、心血管疾患の危険因子をコントロールすることで予防が可能です。具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続をすることが重要で、そのために夜間や土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぎ、「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」、これが我々の使命です。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、ステント留置後の管理、抗血小板療法
・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・人工弁置換術後の管理、抗凝固療法
・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理
・慢性腎臓病
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。

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