「循環器内科.com」に「禁煙外来」についてまとめました。

「循環器内科.com」に「禁煙外来」についてまとめました。

禁煙外来→http://循環器内科.com/smoking

喫煙が身体によくないことを知らないという方は少ないのではないかと思いますが、煙草を辞めたほうがいいとわかっていてもなかなか辞められない原因は、煙草に含まれているニコチンが強い依存性を持っているからです。日本では、ニコチンに依存した状態を「ニコチン依存症」という病気として捉えて、禁煙外来として治療の対象なっています。喫煙の有害性と依存性、禁煙外来、禁煙補助薬、禁煙外来についてよくある質問等をまとめました。お茶の水循環器内科では禁煙外来の初回のみ予約制としています。詳しくは主治医または受付までご相談ください。


【煙草の有害性と依存性】

禁煙外来の説明の前にまずは煙草について説明します。煙草の人体への影響は煙草に含まれる2つの成分、依存性の原因の「ニコチン」と有害性の原因の「タール」という二つの成分に分けるとわかりやすいでしょう。ニコチンは煙草に含まれるC10H14N2という物質で、強い依存性を持ちます。タールは煙草に含まれる4000種類以上の成分のうち人体に有害なものの総称で、具体的には一酸化炭素、アセトン、ブタン、トルエンなどがあります。煙草が身体に悪い理由は人体に有害なタールが含まれているからです。煙草が有害であることは多くの方々がご存知の通り、肺癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、心筋梗塞、脳卒中、慢性気管支炎、美容への影響、妊娠や子育てへの影響など、煙草の健康への悪影響はキリがなく、文字通り、百害あって一利ありません。煙草を辞めたほうがいいとわかっていてもなかなか辞められない原因は、煙草に含まれているニコチンが強い依存性を持っているからです。日本では、ニコチンに依存した状態を「ニコチン依存症」という病気として捉えて、禁煙外来として治療の対象なっています。

【禁煙外来とは】

禁煙外来はニコチン依存の状態から離脱することを目指します。強い依存性を持つニコチンを自力で断つことはなかなか困難で、自力での禁煙成功率は20%未満と言われています。禁煙外来では、12週間、合計5回の通院による禁煙治療プログラムで禁煙成功を目指します。ちゃんと最後までプログラムを完了した場合、禁煙成功率は80%前後に達すると言われています。

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主に禁煙補助薬として「チャンピックス」という飲み薬を使います。チャンピックスは2つの作用で禁煙成功率を向上させます。具体的には、

(1)煙草を吸った時の効果:チャンピックスはニコチン受容体と結合し、煙草を吸った時にニコチンの作用をブロックして煙草が美味しいという感じを減らします。

(2)煙草を吸っていない時の効果:チャンピックスはニコチン受容体と結合し、ニコチン離脱症状を起こさない程度、かつ、依存症を起こさない程度にゆるやかに作動し、煙草を吸っていない時にニコチン離脱症状を和らげます。

以上の効果で、煙草を吸っても美味しく感じなく、吸わない状態でも吸いたいという気持ちを和らげるため、より苦痛なく禁煙を開始出来るようになります。禁煙外来では処方に加えて、ニコチン依存症の診断と重症度の評価、禁煙補助薬の効果や注意点の説明、禁煙開始時のカウンセリング、禁煙宣言書、一酸化炭素濃度の測定、禁煙中の困ったことや問題があった場合のフォローアップなど一連の禁煙治療プログラムとして禁煙成功を目指してサポートしていくことが重要です。お茶の水循環器内科では禁煙外来の初回のみ予約制としています。

【禁煙外来についてのよくあるご質問】

・禁煙外来の費用はいくらくらい掛かりますか?

保険適応で合計2万円前後になります。年間の煙草代とぜひ比べてみましょう。

・禁煙すると太りますか?

煙草によって低下していた味覚や臭覚が元の状態に戻り、食べ物の味や香りが美味しく感じられるようになります。体重増加は全くないという方もいれば、あっても平均2、3キロ程度であると言われています。適度に運動すれば大丈夫です。体重増加を心配して煙草を吸い続けるよりも、禁煙してさらに運動して痩せたほうが圧倒的に健康的です。

・禁煙すると健康になりますか?

上図のようにそのまま喫煙を続けた場合と比べて確実に疾病リスクは低下します。自信を持って禁煙しましょう。

・辞めたくなったらいつでも自力で禁煙するから大丈夫。

禁煙の方法は何でも構いません。

・煙草税で日本に税金をいっぱい払っているからいいんだ。

日本は煙草の税収よりも、喫煙が原因で医療費等による国の経済損失のほうが多いという統計データがあります。煙草を吸い続けることはプラスマイナスで日本に損失をもたらしています。

・電子タバコってどうなの?

ニコチンを吸っていても、有害なタールが含まれていなければ害は少ないのではないかという考えで、ニコチンガムやニコチンパッチ、電子タバコなどのニコチン代替療法があります。電子タバコは長期的な安全性は十分にわかっていないこと、タールの量が減っていると言ってもゼロではないこと、ニコチン依存という根本的な状態が解決していないことが問題点です。やはり理想は禁煙で、タールの沢山含まれた喫煙を続けるよりはマシ、禁煙へのつなぎとして電子タバコ等を使うのはありなのではないかと私個人は考えています。

・禁煙外来についてもっと詳しく知りたい。

お茶の水循環器内科では禁煙外来を行っています。主治医または受付までご相談ください。また禁煙治療については下記サイトが詳しいです。

http://sugu-kinen.jp

最後に、禁煙治療を始めようという決断は最終的にはご本人の意思です。お茶の水循環器内科では禁煙をしようという気持ちをいつでも応援して待っています。禁煙治療についてご関心があればいつでもお気軽にご相談ください。


【お茶の水循環器内科になりました】

2018年9月、お茶の水循環器内科は5年目を迎えました。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関に生まれ変わりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、心血管疾患の危険因子をコントロールすることで予防が可能です。具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続をすることが重要で、そのために夜間や土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、「心血管疾患の一次予防」、これが我々の使命です。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理
・慢性心不全の管理
・弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理
・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。主治医までご相談ください。

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