「循環器内科.com」に「低血圧症」についてまとめました。

「循環器内科.com」に「低血圧症」についてまとめました。
低血圧症→http://循環器内科.com/hypotension

【低血圧症とは】

低血圧症とは、十分な血圧が保てないことが原因で、立ちくらみ、ふらつき、めまい、長時間立っているのが辛い、急に起き上がるのが辛い、横になると楽になる、などの低血圧症の症状を来して、日常生活に支障を来たしている状態です。重症の低血圧症の場合、動悸、頻脈、冷汗、失神、転倒、などの症状を来すこともあります。全身のだるさ、朝起きられない、やる気が出ない、などの漠然とした症状のこともあります。

【低血圧症の診断】

厳密な定義はありませんが、一般的に収縮期血圧100mmHg未満を低血圧と呼びます。血圧が低めであっても特に日常生活に支障を来たしていない場合は特別に治療も必要ありません。低血圧で、低血圧症の症状を来しており、日常生活に支障を来している場合、低血圧症と診断し、治療して行きます。収縮期血圧が90mmHgを切ると、何らかの低血圧症の症状を来している場合が多いです。低血圧症と似た疾患として、起立性低血圧症(Orthostatic hypotension)があります。ヘッドアップティルト試験(Head up tilt test)と言い、横になった姿勢から起立し、3分間で収縮期血圧で20~30mmHg以上の低下が認められた場合、起立性低血圧症と診断し、低血圧症に準じて治療して行きます。よく混同されますが、貧血(Anemia)と低血圧症(Hypotension)は別の病気ですが、低血圧症に貧血、貧血に低血圧症を合併することもしばしばあります。不整脈、甲状腺機能低下症など似た症状を引き起こす他の疾患が疑われる場合は適宜検査を進めていきます。

【低血圧症の治療】

低血圧症の治療は通常まずは生活改善から行います。食事療法、運動療法、十分な睡眠、規則正しい生活リズム、ストレス管理などが大切です。血圧は低過ぎず、高過ぎず、ちょうどよい具合に、収縮期血圧100~120mmHgくらいを目標にします。なかなか改善しない場合、早く症状を改善したい場合、低血圧症治療薬があります。

・食事療法、規則正しく毎日三食しっかりと食べます。特に朝食を抜くことが多い人は、朝食をしっかりと摂ることが重要です。偏食や好き嫌いをせずに、水分、ミネラル、ビタミン、たんぱく質、炭水化物、脂質、バランスよく食べましょう。塩分は適度に、一日8gを超えない範囲で、摂り過ぎないように注意しましょう。朝食時の適度なカフェイン摂取もよいようです。

・運動療法、全身を使った有酸素運動が重要です。運動不足であれば、毎日少しづつでもいいので生活に運動を取り入れましょう。ウォーキング、軽めのジョギング、水泳、何でも構いません。定期的に継続可能な運動を選びましょう。

・十分な睡眠、規則正しい生活、ストレス管理、長期間の立位を避ける、急に立ち上がらないでゆっくりと起き上がる、等、睡眠不足、生活リズムの乱れ、ストレスなども自律神経のバランスの悪化要因です。改善出来るところがないか生活習慣を見直しましょう。

・メトリジン(ミドドリン)、リズミック(アメジニウム)、エホチ-ル(エチレフリン)、低血圧症治療薬です。血管収縮作用、交感神経刺激作用などで血圧を適度に保ちます。

・フロリネフ(フルドロコルチゾン)、重症の低血圧症に対して、鉱質コルチコイド作用の強いステロイド薬を使う場合もあります。副作用も多いので、上記のメトリジンで十分に症状改善しない場合の選択肢となります。

・補中益気湯(ほちゅうえきとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、四君子湯(しくんしとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)、苓桂朮甘湯(りゅうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、気力、体力を補う漢方です。

全ての薬には副作用がありますが、主治医はデメリット、メリットを総合的に考えて一人ひとりに最適な薬を処方しています。心配なことがあれば何なりと主治医またはかかりつけ薬局の薬剤師さんまでご相談ください。

【重要】ご来院前にご確認ください。
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。対象は狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。一般的な内科診療は行っていませんので予めご了承ください。都内の医療機関探しは東京都医療機関案内サービスひまわりをご参考ください。
東京都医療機関案内サービスひまわり:03-5272-0303
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【お茶の水循環器内科】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動等の心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防可能です。心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続のために、お茶の水循環器内科は夜間も土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが当院のミッションです。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。

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