アメリカの心房細動のガイドラインがアップデートされました。

アメリカの心房細動のガイドラインがアップデートされました。アメリカ心臓協会、アメリカ心臓病学会、アメリカ不整脈学会合同で心房細動患者の管理ガイドライン「2019 AHA/ACC/HRS Focused Update of the 2014 AHA/ACC/HRS Guideline for the Management of Patients With Atrial Fibrillation」が発表されました。
https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/CIR.0000000000000665
土橋内科医院院長の小田倉先生のブログ「心房細動な日々」を参考に引用させていただくと、
https://dobashin.exblog.jp/239089086
・脳梗塞予防のための直接経口抗凝固薬の選択肢としてリクシアナ(エドキサバン)が追加(推奨度:I、エビデンスレベル:B-R)
・中程度から重度の僧帽弁狭窄症と人工弁置換術後以外では、ワルファリンより直接経口抗凝固薬が推奨(I、A)
・心房細動が発作性か持続性かは抗凝固薬の使用の決定に影響しない(I、B)
・肝機能と腎機能は直接経口抗凝固薬開始前と開始後は年に1回は検査すべき(I、B−NR)
・CHA2DS2-VAScスコアで2点以上の男性または3点以上の女性、クレアチニンクリアランス15ml/min未満、透析中の患者では、経口抗凝固薬としてワルファリン、エリキュース(アピキサバン)が妥当(IIa、B-NR)
・プリズバインド(イダルシズマブ)はプラザキサ(ダビガトラン)の中和薬として致死的な出血や緊急手術の場合に推奨(I、B-NR)
・Andexanet alfa(recombinant factor Xa)は、イグザレルト(リバーロキサバン)とエリキュース(アピキサバン)の中和薬として致死的出血の場合に有用(IIa、B-NR)
・経皮的左心耳閉鎖術は、長期の抗凝固療法が禁忌で、脳卒中リスクの高い場合に考慮(IIb、B-NR)
・症候性の心不全、左室駆出率低下例では死亡率低下、心不全による再入院の現象のために心房細動のカテーテルアブレーションを推奨
・冠動脈ステント留置後の心房細動患者では出血リスク抑制のために、抗血小板療法と抗凝固療法の併用療法として、プラビックス(クロピドグレル)と低用量イグザレルト(リバーロキサバン)(15mg 1T)、またはプラザキサ(ダビガトラン)(150mg 2T)の二剤併用療法が、三剤併用療法よりも推奨(IIa, B-R)
・減量は、他のリスク因子改善とともに、肥満または過体重の心房細動患者に推奨 (I、B-R)
・原因不明の脳梗塞患者、ホルター心電図で原因がわからない場合は、植込型の心拍モニターが未発見の心房細動の検出のために妥当(IIa、B-R)
エビデンスレベルのRはRCTあり、NRはRCTなしを意味します。
心房細動患者の抗凝固薬選択時に弁膜症のスクリーニングが大事であること、発作性心房細動でも持続性心房細動でも関係がなく抗凝固療法が必要であること、中和薬の有無などが重要であると感じました。recombinant factor XaであるAndexanet alfaは日本ではまだ未承認で、イグザレルトの低用量処方も日本ではまだ未承認です。原因不明の脳梗塞に対しては標準12誘導心電図しか行っていないことも多いので、埋込型のモニタリングデバイスの前にホルター心電図を繰り返すことが大事であるかと思いました。詳しくはガイドライン原文をご覧ください。
https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/CIR.0000000000000665

【重要】ご来院前にご確認ください。
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。対象は狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。一般的な内科診療は行っていませんので予めご了承ください。都内の医療機関探しは東京都医療機関案内サービスひまわりをご参考ください。
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【お茶の水循環器内科】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動等の心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防可能です。心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続のために、お茶の水循環器内科は夜間も土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが当院のミッションです。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。お気軽に主治医までご相談ください。




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