2019/12/20(金)、カロリー相当量身体活動の食品表示が食品選択や食品摂取へ与える影響を調べた研究「Effects of physical activity calorie equivalent food labelling to reduce food selection and consumption: systematic review and meta-analysis of randomised controlled studies」の結果をまとめました。

2019/12/20(金)、カロリー相当量身体活動の食品表示が食品選択や食品摂取へ与える影響を調べた研究「Effects of physical activity calorie equivalent food labelling to reduce food selection and consumption: systematic review and meta-analysis of randomised controlled studies」の結果をまとめました。カロリー相当量身体活動(Physical activity calorie equivalent: PACE)とは、例えば、「このピザのカロリーを消費するためには45分間のランニングが必要です。」などのように、より健康的な食品選択と疾病予防を促進するために、飲食物のカロリーを消費するためにはどれくらいの身体活動を費やす必要があるのかわかるように情報を提供する食品表示です。カロリー相当量身体活動の食品表示が食品選択に与える影響を調べるために、15件の研究の系統レビュー・メタ解析を行いました。結果、飲食物やメニューにおいて、カロリー相当量身体活動の食品表示がある場合は、他の種類の食品商事がある場合や食品表示がない場合と比較して、有意にカロリーが低いものが選択される傾向(WMD=−64.9 kcal 95%CI −103.2 to −26.6 p=0.009 n=4606)を認めました。また、カロリー相当量身体活動食品表示がある場合は、実際のカロリー消費量も有意に低下(WMD=−80.4 kcal 95%CI−136.7 to −24.2 p=0.005 n=486)を認めました。カロリー相当量身体活動の食品表示は、他の種類の食品表示や食品表示がない場合と比べて、メニューからカロリー数が低い食品を選ぶこと、カロリー消費量を抑制することが明らかになりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://jech.bmj.com/content/74/3/269.info
カロリーそのもの自体は目に見えないのですが、相当量の運動に置き換えて表現することで具体的なイメージをつかみやすくなります。食品表示というものが健康行動に影響を与えうるような取り組みを、ナッジ(nudge)と言います。行動経済学において、人々の行動に対して強制によってではなく自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法のことで、医療分野でも注目されて来ています。また面白い論文があれば紹介します。

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