2021/2/5、日本循環器連合「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明」が公表されました。

2021/2/5、日本循環器連合「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明」が公表されました。感染症対策を優先する結果、心血管疾患の治療リソースが取られてしまい、実際に救急搬送に支障が出て来ています。具体的には、急性心筋梗塞、急性心不全、致死的不整脈、肺塞栓症、大動脈解離、大動脈破裂等への救急救命治療に支障が起き始めており、本来ならば助かっていた命が助からなくなって来ています。緊急声明ではそもそも感染症自体を減らすこと、心血管疾患の一次予防、二次予防のための治療を継続することで心血管疾患の救急搬送を減らすこと、この2点が強調されています。詳しくは日本循環器学会のページをご覧ください。
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/02/jcs-notice20210205_rengou_goudou_statement.pdf
去年は対岸の火事という印象だったのですが、今年に入って何件か救急搬送を断られることを経験し、ついに心血管疾患の医療体制にも支障が起きて来ていることを強く実感しています。冠動脈疾患、大動脈疾患、慢性心不全の急性増悪等の多くの救急搬送は事前に十分な精査、治療介入、治療調整によって未然に予防が可能です。この時期に、開院当初から通院されている一部の方で、今まで十分な精査が抜けていた方を対象に、冠動脈CT、大動脈、頸動脈、脳血管、ホルター心電図等の評価を積極的に行うようにしているのはこのためです。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0205535214/index.html

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