日本脳神経外科学会、日本救急医学会、日本脳神経外傷学会、日本脳卒中学会、日本循環器学会、日本脳卒中協会、特に抗血栓薬内服中の高齢者の転倒・転落による頭部外傷の危険性及び適切な対応等の啓発「”Think FAST”campaign」がスタートしました。

日本脳神経外科学会、日本救急医学会、日本脳神経外傷学会、日本脳卒中学会、日本循環器学会、日本脳卒中協会、特に抗血栓薬内服中の高齢者の転倒・転落による頭部外傷の危険性及び適切な対応等の啓発「”Think FAST”campaign」がスタートしました。
→https://thinkfast.jp/index.html
高齢者の転倒・転落による頭部外傷が増加しており、重症頭部外傷の場合は死亡率44%と予後不良であることがわかっています。また、高齢者の10人に1人が抗血小板薬を内服中、20人に1人が抗凝固薬を内服中とのことで、出血リスクについても注意が必要です。受傷直後には意識清明でも数時間後に意識障害が出現し急速に悪化する例(Talk and Deteriorate)もあることから、早期に適切な医療機関受診、早期の頭部画像検査が必要です。血栓塞栓症リスクと出血リスクと総合的に考え、抗凝固薬再開の有無と時期を決める必要があります。抗凝固薬の中には中和薬があるものもあるため、薬剤の名前を本人や家族が覚えておくこと、お薬手帳や服薬カードの携帯等で服薬内容の情報がわかるようにしておくことが大切です。ベーリンガーインゲルハイムがスポンサーをしているところが若干気になりますが、中和薬の存在する抗凝固薬は2020年1月現在、プラザキサ(ダビガトラン)が唯一であるのは事実です。詳しくはメディカルトリビューンの記事をご覧ください。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0107523317
抗血栓薬(抗血小板薬、抗凝固薬)内服の最大のリスクは出血リスクであり、これは抗血栓の効果そのものの延長でもあります。転倒、転落等の外的リスクに加え、血圧のコントロールが極めて重要です。お茶の水循環器内科では、抗血小板薬や抗凝固薬を内服中の場合は家庭血圧の測定及び毎回の受診ごとの血圧測定を行っているのはこのためです。

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