2019/12/24(火)、トウガラシの健康への影響を調べた研究「Chili Pepper Consumption and Mortality in Italian Adults」の結果をまとめました。

2019/12/24(火)、トウガラシの健康への影響を調べた研究「Chili Pepper Consumption and Mortality in Italian Adults」の結果をまとめました。2005年から2010年、イタリアの「Moli-sani Study」の参加者22811例を対象に、トウガラシ(Chili Pepper)の消費と死亡率との関係を調べるコホート研究を行いました。解析の結果、トウガラシの摂取が週4回以上と多い群で死亡率の低下を認めました。具体的には、中央値8.2年のフォローアップ期間中の死亡1236例について、トウガラシを全く食べないかほとんど食べない群、週2回以下の群、週2-4回の群、週4回以上の群の4つに分けて解析したところ、週4回以上トウガラシ食べる群は全くまたはほとんど食べない群と比べて、全死亡23%低下(HR 0.77 95%CI 0.66-0.90)、心血管死34%低下(HR 0.66 95%CI 0.50-0.86)、虚血性心疾患死44%低下(HR 0.56 95%CI 0.35-0.87)、脳血管疾患死61%低下(HR 0.39 95%CI 0.20-0.75)を認めました。この関連は高血圧を認めない群において強い相関(相関性のp=0.021)を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109719382063
なぜトウガラシで死亡率が減ったのか今後の研究が必要ですが、虚血性心疾患、脳卒中、全死亡、全てで減少しているのには驚きです。トウガラシを多く使った地中海料理にはイタリアならではの研究ですが、アメリカや中国の研究でも同様の結果が報告されています。高血圧の食事では塩分過剰摂取には注意が必要ですが、塩分が含まれていなければ血圧に関しては特に問題がありません。減塩に注意しつつ、トウガラシを活用すると良いのではないでしょうか。

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