2019/1/8(水)、非虚血性心不全に対して心臓MRI検査をルーチンで行う群と選択的に行う群と比較した研究「OUTSMART HF: A Randomized Controlled Trial of Routine Versus Selective Cardiac Magnetic Resonance for Patients with Non-Ischemic Heart Failure: IMAGE-HF 1B」の結果をまとめました。

2019/1/8(水)、非虚血性心不全に対して心臓MRI検査をルーチンで行う群と選択的に行う群と比較した研究「OUTSMART HF: A Randomized Controlled Trial of Routine Versus Selective Cardiac Magnetic Resonance for Patients with Non-Ischemic Heart Failure: IMAGE-HF 1B」の結果をまとめました。
詳しくは論文をご覧ください。心不全の原因特定のための心臓MRI(Cardiac magnetic resonance: CMR)の有用性を調べるため、カナダにおいて非虚血性心不全500例を対象に、ルーチンで心臓MRIを行う群と、心臓エコー検査を行い臨床経過に合わせて選択的に心臓MRIを追加する群とに分け、3ヶ月、12カ月追跡しました。追跡3ヶ月で心不全の原因特定出来た率は、ルーチン心臓MRI群44%と選択的心臓MRI群50%で差を認めませんでした。画像検査を行った場合も心不全の原因特定率(34% vs 30%)には差がありませんでした。選択的群に割り振られた群のうち24%が心臓MRI検査を受けていました。12ヶ月の追跡では、心不全の原因特定が出来た例では心不全の原因特定が出来なかった群と比べて、臨床イベントが多く(19% vs 12% p=0.02)発生していました。非虚血性心不全においては、ルーチンの心臓MRI検査は心不全の原因特定において臨床評価を超えないことがわかりました。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.043964
心臓MRIは有用な検査ではありますが、ルーチンに一律に行うものではなく、医師の判断で行うほうが良いだろうという研究結果でした。今回の研究は非虚血性心疾患に限定していますが、心臓MRI検査自体は、放射線被爆なしに冠動脈を評価可能、心筋の詳しい性状まで評価が可能な有用な検査です。冠動脈そのものを直接造影したい場合には冠動脈CT検査もあります。詳しくは主治医までご相談ください。

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