2019/12/23(月)、左心耳閉鎖術の長期の安全性と有効性について調べた研究「Long-Term Safety and Efficacy in Continued Access Left Atrial Appendage Closure Registries」の結果をまとめました。非弁膜症性心房細動に対する左心耳閉鎖術(left atrial appendage closure: LAAC)の長期の安全性と有効性について、アメリカにおける左心耳閉鎖システム「Watchmanデバイス」の市販後調査、「PROTECT-AF(Watchman Left Atrial Appendage System for Embolic PROTECTion in Patients With Atrial Fibrillation)」のContinued Accessレジストリー「GAP」566例(平均50.1ヶ月追跡)、 「PREVAIL( Prospective Randomized Evaluation of the WATCHMAN LAA Closure Device In Patients with Atrial Fibrillation versus Long Term Warfarin Therapy)」のContinued Accessレジストリー「GAP2」578例(平均50.3ヶ月追跡)の2つを対象に調査しました。手技成功率は両群とも94%、CAP2の登録者はCAPと比較して有意に高齢で、血栓リスクが高値(CHA2DS2-VASc 3.88 vs 4.51 p<0.001)でした。主要評価項目(脳卒中、全身性塞栓症、心血管死、原因不明の死亡)は、CAP 3.05/100人年、CAP2 4.80/100人年、心血管死と原因不明の死亡はCAP 1.69/100人年、CAP2 2.92/100人年でした。出血性脳卒中は虚血性脳卒中に比べて有意に減少(CAP 0.17/100人年、CAP2 0.09/100人年)を認めました。全脳卒中はCHA2DS2-VAScスコアから予測される発生率と比べて有意に減少(CAP 78%減少、CAP2 69%減少)を認めました。「Watchmanデバイス」の長期の追跡データから、非弁膜症性心房細動に対する左心耳閉鎖術は有効で安全であることを支持するとまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
→http://www.onlinejacc.org/content/74/23/2878
日本における左心耳閉鎖術について以前まとめています。
「2019/9/2(月)、心房細動に対する左心耳閉鎖システム「WATCHMAN」の治療が日本で始まりました。」
→https://ochanomizunaika.com/11738
抗凝固療法が中止出来る可能性があること、それによって脳出血が減ることが期待出来ることがメリットでしょう。詳しくは主治医までご相談ください。
2019/12/23(月)、左心耳閉鎖術の長期の安全性と有効性について調べた研究「Long-Term Safety and Efficacy in Continued Access Left Atrial Appendage Closure Registries」の結果をまとめました。