2020/3/9(月)、不規則な睡眠と心血管イベントリスクについての研究「Sleep Irregularity and Risk of Cardiovascular Events: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis」の結果をまとめました。

2020/3/9(月)、不規則な睡眠と心血管イベントリスクについての研究「Sleep Irregularity and Risk of Cardiovascular Events: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis」の結果をまとめました。心血管系と睡眠覚醒リズムとの関係を調べるために、2010年から2013年まで、「MESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)」研究の参加者で心血管疾患の既往のない1992例を対象に、手首式の活動量計(wrist actigraphy)を7日間装着、2016年まで追跡しました。7日間の活動量計によって測定された睡眠時間の標準偏差と就寝時刻と、致死的または非致死的な心血管疾患との関係を解析しました。中央値4.9年追跡の結果、111例心血管イベントが発生しました。既知の心血管疾患の危険因子調整後の心血管疾患のハザード比は、睡眠時間のばらつき(SD of sleep duration)が60分以内の群を基準とした場合、SD 61-90分群で1.09(95%CI 0.62 to 1.92)SD 91-120分群1.59(95%CI 0.91 to 2.76)、120分以上群2.14(95%CI 1.24 to 3.68)でした。同様に、就寝時刻のばらつき(SD of sleep-onset)が30分以内の群を基準とした場合に、31-60分群1.16(95%CI 0.64 to 2.13)、61-90分群1.52(95%CI 0.81 to 2.88)、90分以上群2.11(95%CI 1.13 to 3.91)で、有意差(p trend=0.002)を認めました。シフトワーカーではない労働者でも同様の傾向を認めました。不規則な睡眠習慣は心血管疾患のリスク因子であることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
http://www.onlinejacc.org/content/75/9/991
睡眠時間の長さのばらつき(SD of sleep duration)、就寝時刻のばらつき(SD of sleep-onset)、いずれも心血管疾患のリスク因子になる可能性があるという報告です。ばらつきが最も少ない群と最も多い群では2倍以上の差を認めています。

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