2020/1/7(火)、閉塞性睡眠時無呼吸と心房細動の合併例における心血管疾患と脳血管疾患リスクについて調べた研究「Risk of major cardiovascular and neurologic events with obstructive sleep apnea among patients with atrial fibrillation」の結果をまとめました。閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive sleep apnea: OSA)は心房細動のリスクの一つです。「ORBIT-AF I」「ORBIT-AF II」の参加者、心房細動22760例、主要転帰として主要心血管神経イベント(major adverse cardiac and neurologic events: MACNEs)、心血管死、心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作、非中枢神経系塞栓症、全身性塞栓症、心不全の新規発症の複合と定義、閉塞性睡眠時無呼吸4045例(17.8%)、1.5年間追跡しました。結果、1895例に主要転帰の発生を認めました。閉塞性睡眠時無呼吸は若く(中央値 68歳 vs 74 歳)、男性が多く(70.7% vs 55.3%)、MBIが高く(34.6 vs 28.7)、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、心不全の合併率が高く、抗血栓療法を受けている率が高い傾向にありました。調整後、閉塞性睡眠時無呼吸は主要心血管神経イベントと有意に関係(HR 1.16 95%CI 1.03-1.31 P=0.011)を認めました。閉塞性睡眠時無呼吸は、CHA2DS2-VAScスコアとは独立した脳卒中、全身性塞栓症の危険因子(HR 1.38 95%CI 1.12-1.70 P=0.003)でした。心血管死、心筋梗塞、心不全の新規発症、大出血とは関連は認めませんでした。心房細動がある例では、閉塞性睡眠時無呼吸は主要心血管神経イベント、特に脳卒中と全身性塞栓症の独立した危険因子であることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32179257
CHA2DS2-VAScは、心房細動がある場合の心原性脳塞栓症のリスク予測スコアですが、心不全、高血圧、高齢、糖尿病、血管疾患、性別意外にも、閉塞性睡眠時無呼吸も独立した危険因子であることが明らかになったという研究結果です。お茶の水循環器内科では、睡眠時無呼吸症候群が見つかった場合は、近隣(お茶の水、水道橋、市ヶ谷、有楽町)等の睡眠時無呼吸症候群専門の医療機関に紹介し、治療導入、治療継続をお願いしています。自宅で行う睡眠時無呼吸検査は適宜行っています。詳しくは主治医までご相談ください。
2020/1/7(火)、閉塞性睡眠時無呼吸と心房細動の合併例における心血管疾患と脳血管疾患リスクについて調べた研究「Risk of major cardiovascular and neurologic events with obstructive sleep apnea among patients with atrial fibrillation」の結果をまとめました。