2020/2/17(月)、ST上昇型心筋梗塞において入院時の高血糖が予後に与える影響について調べた研究「Prognostic Value of Hyperglycemia on Admission on In-hospital Outcomes in Patients Presenting with ST-elevation Myocardial Infarction」の結果をまとめました。2型糖尿病は急性冠症候群のリスクであり、入院時の高血糖はST上昇型心筋梗塞の予後に影響を与えるかどうか調べるために、2018年から2019年まで、18歳以上、ST上昇型心筋梗塞と診断された256例を対象に、血糖140mg/dl以上を高血(Hyperglycemia)、血圧140/90mmHg以上を高血圧(Hypertension)と定義、入院時の高血糖が冠動脈カテーテル治療または血栓溶解療法における死亡率に与える影響を調べました。結果、256例のうち、92例(46.9%)が糖尿病の診断を受けました。72例は高血糖で、20例は正常血糖(euglycemia)でした。PCI後の死亡率は、高血糖群6例(18.8%)、正常血糖群1例(2.2%)で、有意差(p=0.03)を認めました。入院中の死亡率は高血糖群12例(12.5%)、正常血糖群6例(3.7%)で、有意差(p=0.015)を認めました。ST上昇型心筋梗塞で入院時の高血糖がある場合の死亡率の有意な危険因子として、60歳以上(OR 5.63 95%CI 1.54-20.58 p=0.007)、入院時の心不全(OR 6.84 95%CI 1.85-25.22 p=0.003)、2型糖尿病(OR 4.14 95%CI 0.50-33.96 p=0.05)、腎不全(OR 6.78 95%CI 1.74-26.42 p=0.009)を認めました。血栓溶解療法と冠動脈カテーテル治療はST上昇型心筋梗塞に対して有効で安全な治療ですが、入院時の高血糖がある場合には、糖尿病の有無に関わらず、ST上昇型心筋梗塞の死亡率を悪化させることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7081956
2020/2/17(月)、ST上昇型心筋梗塞において入院時の高血糖が予後に与える影響について調べた研究「Prognostic Value of Hyperglycemia on Admission on In-hospital Outcomes in Patients Presenting with ST-elevation Myocardial Infarction」の結果をまとめました。