2020/4/30(木)、肥満とCOVID-19の重症化との関係について調べた研究「Association of Obesity with Disease Severity among Patients with COVID-19」の結果をまとめました。

2020/4/30(木)、肥満とCOVID-19の重症化との関係について調べた研究「Association of Obesity with Disease Severity among Patients with COVID-19」の結果をまとめました。COVID-19入院中、集中治療室(intensive care unit: ICU)への入院、侵襲的機械換気(invasive mechanical ventilation: IMV)と言った重症転帰と肥満(obesity)の関係を調べるために、COVID-19入院103例を対象に、後ろ向きコホート研究を実施しました。人口統計学的データ、既往歴、入院経過のデータを収集、多変量ロジスティック回帰分析にて解析しました。結果、2020/2/17から2020/4/5まで、COVID-19入院の連続症例103例、集中治療室入院41例(39.8%)、侵襲的機械換気29例(70.7%)、肥満の有病率は49例(47.5%)でした。多変量解析の結果、重度の肥満(BMI 35以上)は集中治療室入院と関連(調整後OR 5.39 95%CI 1.13-25.64)を認めました。さらに、侵襲的機械換気を必要とする例は、心疾患の頻度が高く(調整後OR 3.41 95%CI 1.05-11.06)、肥満(BMI 30以上35未満)が多く(調整後OR 6.85 95%CI 1.05-44.82)、重度の肥満(BMI 35以上)を多く(調整後OR 9.99 95%CI 1.39-71.69)認めました。解析の結果、重度の肥満(BMI 35以上)は、集中治療室入院と有意な関連を認め、心疾患の既往、肥満(BMI 30以上)は侵襲的機械換気の必要性の独立した関係を認めました。肥満例におけるCOVID-19ではより注意を要する必要があると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32352637
肥満(BMI 30以上)は人工呼吸を必要とする頻度が高く、重度の肥満(BMI 35以上)では集中治療室への入院が多かったという報告です。BMIとCOVID-19の重症化については一貫して報告されています。これを機会に痩せましょう。
「Association of higher body mass index (BMI) with severe coronavirus disease 2019 (COVID-19) in younger patients」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32382755
「High prevalence of obesity in severe acute respiratory syndrome coronavirus-2 (SARS-CoV-2) requiring invasive mechanical ventilation」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32271993


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