2020/4/24、心不全の入院治療における病院臨床因子の死亡率への影響を調べた日本の研究「Impact of Hospital Practice Factors on Mortality in Patients Hospitalized for Heart Failure in Japan: An Analysis of a Large Number of Health Records From a Nationwide Claims-Based Database, the JROAD-DPC」の結果をまとめました。

2020/4/24、心不全の入院治療における病院臨床因子の死亡率への影響を調べた日本の研究「Impact of Hospital Practice Factors on Mortality in Patients Hospitalized for Heart Failure in Japan: An Analysis of a Large Number of Health Records From a Nationwide Claims-Based Database, the JROAD-DPC」の結果をまとめました。心不全において病院症例数と死亡率との間には逆相関が存在しますが、心不全における病院パフォーマンス因子と死亡率の関係はよくわかっていませんでした。日本、心不全において、探索的因子分析によって、病院パフォーマンス因子と院内の7日死亡率、30日死亡率との関係を調べました。2012年から2014年まで、日本循環器学会所属の683施設、198861例の記録を解析しました。「JROAD-DPC」(Japanese Registry Of All cardiac and vascular Diseases-Diagnostic Procedure Combination)の全国データベースを対象に、探索的因子解析、90施設調査の結果、「インターベンショナルカーディオロジー」「心臓血管外科」「小児循環器」「電気生理学」「心臓リハビリテーション」の5つにグループ化しました。多変量ロジスティクス回帰分析、各因子と死亡率の関係を解析しました。30日死亡率は8.0%でした。多変量ロジスティクス回帰分析の結果、小児循環器(OR 0.677, 95%CI 0.628–0.729, P<0.0001)、電気生理学(OR 0.876, 95% CI: 0.832–0.923, P<0.0001)、心臓リハビリテーション(OR 0.832, 95% CI: 0.792–0.873, P<0.0001)は死亡率の低下と関連していました。対照的に、インターベンショナルカーディオロジー(OR 1.167, 95% CI: 1.070–1.272, P<0.0001)は死亡率の高さと関連していました。心血管治療も含む病院因子、心不全の死亡率の高さと関連している可能性が示唆されると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/84/5/84_CJ-19-0759/_article/-char/ja
インターベンショナルカーディオロジー、心臓血管外科、小児循環器、電気生理学、心臓リハビリテーションなどの病院の診療因子と心不全入院患者の死亡率との関連が認められたとの報告です。循環器内科と言っても細かく様々な専門性の違いがあるので、どの専門性どこの病院が良いのかは循環器内科医に相談するのが一番でしょう。


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