2020/4/3、慢性完全閉塞の経皮的血行再建の手技成功率の予測において「CASTLEスコア」と「J-CTOスコア」を比較した研究「CASTLE Score Versus J-CTO Score for the Prediction of Technical Success in Chronic Total Occlusion Percutaneous Revascularisation」の結果をまとめました。冠動脈慢性完全閉塞(chronic total occlusions: CTO)病変に対する経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention: PCI)の手技成功を予測するため、新規のヨーロッパ慢性完全閉塞スコア「CASTLE」スコアと、日本の多施設慢性完全閉塞レジストリ「J-CTO」スコアの有用性を比較しました。慢性完全閉塞に対する経皮的冠動脈形成術の連続660症例、平均年齢66例、男性84%、平均J-CTOスコア1.86、EuroCTOスコア1.74でした。アンテグレードワイヤエスカレーション82%、アンテグレードダイセクションリエントリー14%、レトログレードアプローチ37%でした。2つのスコア間の識別能力の術者特性解析では、J-CTOスコア(AUC 0.698, 95% CI: 0.653-0.742, p<0.001)、EuroCTOスコア(AUC 0.676, 95% CI: 0.627-0.725, p<0.001)で、有意差(AUC difference: 0.022, p=0.5)を認めませんでした。しかし、より複雑な手技(J-CTOスコア3点以上、EuroCTOスコア4点以上)における予測能力は、EuroCTOスコア(AUC 0.588, 95% CI: 0.509-0.668, p=0.03)、J-CTOスコア(AUC 0.473, 95% CI: 0.393-0.553, p=NS)で、有意差(AUC difference: 0.115, p=0.04)を認めました。慢性完全閉塞に対する経皮的冠動脈形成術の転帰の予測において、EuroCTOスコアはJ-CTOスコアは同等で、より複雑症例においてはEuroCTOスコアの識別能力が高いことが示されました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31270036
慢性完全閉塞の手技成功の新しい予測スコアの検証です。EuroCTO「CASTLEスコア」については下記ページをご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30711551
2020/4/3、慢性完全閉塞の経皮的血行再建の手技成功率の予測において「CASTLEスコア」と「J-CTOスコア」を比較した研究「CASTLE Score Versus J-CTO Score for the Prediction of Technical Success in Chronic Total Occlusion Percutaneous Revascularisation」の結果をまとめました。