2020/4/1、心血管カテーテル治療における映像音声遠隔サポートシステムの有用性について調べた研究「Audiovisual Telesupport System for Cardiovascular Catheter Interventions: A Preliminary Report on the Clinical Implications」の結果をまとめました。音声映像遠隔サポートシステム(audiovisual telesupport system)の臨床応用の有用性について検討しました。スーパーバイザーによる音声映像遠隔サポートシステムは、術者の経験や手技が不足している場合には、効果的ではないかと言われていますが、心血管カテーテル治療における音声映像遠隔サポートシステムの有用性は過去に報告がありませんでした。2017年から、日本の神栖、循環器内科医不足地域で、神栖済生会病院の循環器内科医2名は、音声映像遠隔サポートを使用開始しました。遠隔で筑波大学のアドバイザーのサポートを受けながら、カテーテル治療を行いました。後ろ向きに、経皮的冠動脈形成術、カテーテルアブレーションの手技時間、合併症を評価しました。導入後、10ヶ月間、冠動脈疾患の経皮的冠動脈形成術21例を音声映像遠隔サポートシステムを用いて行いました。経皮的冠動脈形成術の平均手技時間は、42分でした。頻脈性不整脈9名、上室性頻拍、心室性期外収縮、通常型心房粗動、発作性心房細動に対して、音声映像遠隔サポートシステムを用いてカテーテルアブレーションを行いました。カテーテルアブレーションの平均手技時間は、上室性頻拍134分、心室性期外収縮100分、心房細動200分でした。全てのカテーテルアブレーションは合併症の発生なく成功しました。音声映像遠隔サポートシステムは、人的リソースが限られている地域において、安全に高い質のカテーテル治療を可能にするかも知れないと論文ではまとめています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31364807
音声映像遠隔サポートシステムによるカテーテル治療の遠隔サポートが有用であったという日本の報告です。茨城県のつくば市の筑波大学附属病院から茨城県の神栖市にある神栖済生会病院へ遠隔サポートを行ったとのことです。エキスパートが直接カテーテルを行った場合と、遠隔サポートシステムを使った場合と差があるのか知りたいところですが、遠隔地でどうしても病院に来れない場合には良い選択肢かも知れません。
2020/4/1、心血管カテーテル治療における映像音声遠隔サポートシステムの有用性について調べた研究「Audiovisual Telesupport System for Cardiovascular Catheter Interventions: A Preliminary Report on the Clinical Implications」の結果をまとめました。