2020/5/14、糖尿病予備群と2型糖尿病の脳卒中後の認知機能について調べた研究「Association of Prediabetes and Type 2 Diabetes With Cognitive Function After Stroke: A STROKOG Collaboration Study」の結果をまとめました。2型糖尿病は認知機能障害、認知症リスク増加と関係していますが、前糖尿病(prediabetes)と認知機能障害との関係、特に脳血管疾患後において十分にわかっていません。空腹時血糖異常、2型糖尿病と脳卒中後の認知機能パフォーマンスについて調べました。「STROKOG」(Stroke and Cognition)コンソーシアム、7つの国際観察研究、1601例、平均年齢66.0歳、アジア人70%、白人26%、アフリカンアメリカン2.6%を対象に、入院中の空腹時血糖によって、3つの群、2型糖尿病、空腹時血糖異常、正常に分類、糖尿病の既往、糖尿病治療薬の使用も2方糖尿病の診断の補助に使用しました。認知機能のZスコアは標準化された神経心理学的テストのスコアです。脳卒中後3ヶ月後から6花月後における、血糖状態と認知機能パフォーマンスの相互関係を、年齢、性別、教育歴、脳卒中のタイプ、人種、血管危険因子等を調整後、線形混合モデルを使用して解析しました。結果、2型糖尿病群は、空腹時血糖正常群と比べて、全般的な認知機能パフォーマンスが有意に低下(SD, -0.59 [95% CI, -0.82 to -0.36]; P<0.001)を認めました。空腹時血糖正常群と空腹時血糖異常群において両群間に有意差(SD, -0.10 [95% CI, -0.45 to 0.24]; P=0.55)を認めませんでした。糖尿病は脳卒中後、3ヶ月後から6ヶ月後において認知機能パフォーマンスの低下と関連をしていますが、空腹時血糖異常では関連は認めませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32404039
脳卒中後の認知機能について、糖尿病では血糖正常群と比べて認知機能低下が認められましたが、前糖尿病では認知機能低下は認められなかったという報告です。認知症の発症予防という観点からも糖尿病を発症前に食い止めることの重要性ということでしょう。メディカルトリビューンにも記事がありました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0603530365
2020/5/14、糖尿病予備群と2型糖尿病の脳卒中後の認知機能について調べた研究「Association of Prediabetes and Type 2 Diabetes With Cognitive Function After Stroke: A STROKOG Collaboration Study」の結果をまとめました。