2020/4/13、安定虚血性心疾患に対する血行再建術後の長期転帰について調べた研究「Long-Term Outcomes After Revascularization for Stable Ischemic Heart Disease: An Individual Patient-Level Pooled Analysis of 19 Randomized Coronary Stent Trials」の結果をまとめました。

2020/4/13、安定虚血性心疾患に対する血行再建術後の長期転帰について調べた研究「Long-Term Outcomes After Revascularization for Stable Ischemic Heart Disease: An Individual Patient-Level Pooled Analysis of 19 Randomized Coronary Stent Trials」の結果をまとめました。安定虚血性心疾患において血行再建術が予後を改善するかは議論が続いています。ステントに関する19の前向き無作為化試験から個別症例データを収集しました。5年間の主要有害心血管事象(心臓死、心筋梗塞、虚血による標的病変の血行再建の複合)について、ベアメタルステント(BMS)、第一世代の薬剤溶出性ステント(DES1)、第二世代の薬剤溶出性ステント(DES2)による経皮的冠動脈形成術後を比較しました。Poisson多変量回帰分析にて、有害事象の予測因子を同定しました。安定虚血性心疾患に対して経皮的冠動脈形成術を行った10987例、BMS群1550例、DES1群2776例、DES2群6661例でした。5年間の主要有害心血管事象の発生率は、ステント技術の進歩によって有意に低下(BMS: 24.1% versus DES1: 17.9% versus DES2: 13.4%, P<0.0001)を認めました。一方で、1年後から5年後までの期間において、BMSからDES1で増加、DES2で減少(BMS: 7.4% versus DES1: 10.2%, DES2: 8.5%, P=0.02)を認めました。安定虚血性心疾患の経皮的冠動脈形成術による血行再建術後の主要有害心血管事象の長期転帰は、現在の薬剤溶出性ステントにおいても依然として高いリスクでした。ステント留置後1年間後以降も、主要有害心血管事象リスクを減少させるための新しいアプローチが必要であると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32279561
第二世代の薬剤溶出性ステント留置後、5年間の主要有害心血管事象が13.4%との報告です。年間リスクに換算すると2-3%程度のリスクで、ステント留置後も気を抜けないという印象です。


PAGETOP