2020/3/13、アルコール摂取と高血圧、心血管疾患リスクとの関係について調べた日本の研究「Alcohol consumption and risks of hypertension and cardiovascular disease in Japanese men and women」の結果をまとめました。

2020/3/13、アルコール摂取と高血圧、心血管疾患リスクとの関係について調べた日本の研究「Alcohol consumption and risks of hypertension and cardiovascular disease in Japanese men and women」の結果をまとめました。日本の男女においてアルコール摂取が高血圧、心血管疾患に与える影響を大規模前向きコホート研究で調べました。年齢、性別に寄らずに、アルコール摂取は高血圧リスクの上昇と正の相関がありました。日本人男性においては、アルコール摂取と脳卒中、心血管疾患リスクには「J-shaped」関係があり、これは西洋国で実施された研究においても一貫して認められています。アジア人女性においては、アルコール摂取が脳卒中、冠動脈性心疾患リスクに与える影響については十分に研究がされていません。第一に、重度のアルコール摂取、週に300g以上のエタノールの摂取は、全脳卒中、出血性脳卒中、実質内出血、くも膜下出血、虚血性脳卒中のリスク増加と関連していましたが、軽度の飲酒は脳卒中リスクの減少とは関連していませんでした。さらに、1日46.0g以上のエタノールの重度の飲酒では女性において冠動脈性心疾患による死亡リスクは増加しましたが、1日0.1gから22.9gエタノールの軽度の飲酒では心血管疾患による死亡リスクは減少しました。アルコール摂取と脳卒中リスクとの関係は社会的援助や塩分嗜好性等によって修正される可能性があると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nature.com/articles/s41440-020-0417-1
アルコール摂取量と高血圧、心血管疾患の「Jカーブ」現象について、日本人女性においては1日0.1gから22.9gまでの軽度の飲酒であれば心血管疾患死亡リスクは減少しますが、それ以上の飲酒は脳卒中、冠動脈疾患、死亡リスクを増加させてしまうという報告です。お酒の飲み過ぎは身体に良くないのは多くの方がわかってはいるかとは思いますが、では具体的にどれくらいまでなら適量の範囲内なのかについては22.9gまでが一つの目安になるでしょう。


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