2020/6/1、物理的距離、フェイスマスク、眼の保護はSARS-CoV-2の二次感染の予防に効果があるか調べた研究「Physical Distancing, Face Masks, and Eye Protection to Prevent Person-To-Person Transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: A Systematic Review and Meta-Analysis」の結果をまとめました。

物理的距離、フェイスマスク、眼の保護はSARS-CoV-2の二次感染の予防に効果があるか調べた研究「Physical Distancing, Face Masks, and Eye Protection to Prevent Person-To-Person Transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: A Systematic Review and Meta-Analysis」の結果をまとめました。SARS-CoV-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)はCOVID-19を引き起こし、濃厚接触(close contact)によって人から人へ拡大します。医療施設と、医療施設外、市中(community)等において、ウイルス感染に対して、物理的距離(physical distance)、フェイスマスク(face masks)、眼の防護(eye protection)の効果を調べました。ウイルス感染を予防するために、フェイスマスク、眼の保護、至適距離に関する系統レビュー、メタ解析を実施しました。SARS-CoV-2、重症呼吸促迫症候群を引き起こすbetacoronaviruses、Middle East respiratory syndromeのデータを12の標準化されたデータベースから2020/3/3までに、言語の制限なく収集しました。記録をスクリーン、外部データ、バイアスリスクを評価しました。頻度主義推定、Bayesianメタ解析、無作為影響メタ回帰を実施しました。エビデンスの確からしさの評価はCochrane methods、GRADE approachに基づきました。6大陸、16カ国、172の観察研究、非無作為化対照試験、医療施設と非医療施設の44の比較対照試験、合計25 697例を対象としました。結果、ウイルスの感染は、物理的距離1mまたはそれ以上において、距離が1m未満の場合と比較して低値(n=10736, pooled adjusted odds ratio [aOR] 0·18, 95% CI 0·09 to 0·38; risk difference [RD] -10·2%, 95% CI -11·5 to -7·5; moderate certainty)、予防は距離の長さに応じて増加(change in relative risk [RR] 2·02 per m; pinteraction=0·041; moderate certainty)を認めました。フェイスマスク着用は感染を大幅に減少(n=2647; aOR 0·15, 95% CI 0·07 to 0·34, RD -14·3%, -15·9 to -10·7; low certainty)させる結果となり、N95または同様の呼吸器マスクは、ディスポーザブルのサージカルマスクまたは同様のマスクと強力な関連(reusable 12-16-layer cotton masks; pinteraction=0·090; posterior probability >95%, low certainty)を認めました。眼の保護もまた感染の減少と関連(n=3713; aOR 0·22, 95% CI 0·12 to 0·39, RD -10·6%, 95% CI -12·5 to -7·7; low certainty)を認めました。非調整研究、サブグループ解析、感度解析においても同様の結果でした。系統レビュー、メタ解析の結果は、1mまたはそれ以上の物理的距離を支持するもので、モデルの定量的評価、接触者追跡、政策決定に役立つでしょう。フェイスマスク、レスピレーター、眼の保護を適切に使用することは、公共の場、医療機関において、情報提供されるべきでしょう。より確かなエビデンスのためには確実な無作為化試験が必要ですが、暫定のガイドラインとしては現在手に入る中で最も最善のエビデンスでしょうと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32497510
ソーシャルディスタンス、マスク、アイシールドは効果があるのか?調べた結果、感染リスク減少の効果はあるとの結果です。具体的には、ソーシャルディスタンスを1m以上確保することは感染リスク88%減少、その効果は物理的距離1m増加するごとに2.02倍になるとのことです。マスク着用はマスクの種類にもよりますが、感染リスクを85%減少、アイシールドは78%減少の効果があるとの報告です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0618530621


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