2020/6/4、急性低酸素性呼吸不全に対する非侵襲的酸素療法の効果を調べた研究「Association of Noninvasive Oxygenation Strategies With All-Cause Mortality in Adults With Acute Hypoxemic Respiratory Failure: A Systematic Review and Meta-analysis」の結果をまとめました。

2020/6/4、急性低酸素性呼吸不全に対する非侵襲的酸素療法の効果を調べた研究「Association of Noninvasive Oxygenation Strategies With All-Cause Mortality in Adults With Acute Hypoxemic Respiratory Failure: A Systematic Review and Meta-analysis」の結果をまとめました。非侵襲的換気、高流量経鼻酸素等の非侵襲的酸素による治療戦略は、急性低酸素性呼吸不全において、標準酸素療法の単独治療よりも効果的と考えられています。急性低酸素性呼吸不全で気管内挿管と非侵襲的酸素化戦略と死亡率を比較しました。2020/4/1までに、データベース、MEDLINE、Embase、PubMed、Cochrane Central Register of Controlled Trials、CINAHL、Web of Science、LILACSから収集しました。言語、発行年、性別、人種を問わずに収集しました。急性低酸素性呼吸不全で、高流量経鼻酸素、フェイスマスク非侵襲的換気、ヘルメット非侵襲的換気、標準酸素療法を比較した無作為化臨床研究を対象としました。Cochrane Risk of Bias toolを用いて、バイアスリスクを評価しました。ネットワークメタ解析はbayesianフレームワークを用いて、リスク比、リスク差、95%信頼区間を算出しました。GRADE methodologyを用いて確からしさを評価しました。一次転帰は90日間以内の全死亡としました。二次転帰は30日以内の気管内挿管としました。結果、25の無作為化臨床試験、3804例を収集しました。標準酸素と比較して、ヘルメット非侵襲的換気治療(RR, 0.40 [95% CrI, 0.24-0.63]; absolute risk difference, −0.19 [95% CrI, −0.37 to −0.09]; low certainty)、フェイスマスク非侵襲的換気(RR, 0.83 [95% CrI, 0.68-0.99]; absolute risk difference, −0.06 [95% CrI, −0.15 to −0.01]; moderate certainty)は死亡リスク低値と関連(21 studies [3370 patients])を認めました。ヘルメット非侵襲的換気(RR, 0.26 [95% CrI, 0.14-0.46]; absolute risk difference, −0.32 [95% CrI, −0.60 to −0.16]; low certainty)、フェイスマスク非侵襲的換気(RR, 0.76 [95% CrI, 0.62-0.90]; absolute risk difference, −0.12 [95% CrI, −0.25 to −0.05]; moderate certainty)、高流量経鼻酸素(RR, 0.76 [95% CrI, 0.55-0.99]; absolute risk difference, −0.11 [95% CrI, −0.27 to −0.01]; moderate certainty)は気管内挿管リスク低値と関連(25 studies [3804 patients]を認めました。挿管を盲検していないことによるバイアスリスクは高いとみなされました。成人の急性低酸素性呼吸不全のネットワークメタ解析の結果、非侵襲的酸素化戦略は、標準酸素療法と比べて、死亡リスク低下と関連していました。それぞれの治療戦略のベネフィットの解明についてはさらなる研究が必要だろうと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32496521
呼吸不全に対する酸素療法は、標準酸素療法、非侵襲的換気、侵襲的換気の3段階がありますが、侵襲的が高くなるにつれて合併症リスク、管理のリソース、離脱の課題が発生します。非侵襲的換気は標準酸素療法よりも予後改善効果があり、侵襲的換気を避けられる率が高かったという報告です。ヘルメット非侵襲的換気60%、フェイスマスク非侵襲的換気17%、死亡リスクが低下、気管内挿管を避けられるリスクはヘルメット非侵襲的換気74%、フェイスマスク非侵襲的換気24%、高流量経鼻酸素24%でした。ヘルメット非侵襲的換気が予想以上に効果があるのと、経鼻酸素でも高流量であれば気管内挿管を避けられる効果があるのは意外でした。ヘルメット非侵襲的換気(Helmet Noninvasive Ventilation)の実際の様子がYouTubeに上がっていました。
https://youtu.be/kuTqecGcwTw


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