2020/6/8、インスリン治療を受けていない2型糖尿病において、持続血糖モニタリングと従来型の自己血糖測定を比較した日本の研究「Flash Glucose Monitoring Helps Achieve Better Glycemic Control Than Conventional Self-Monitoring of Blood Glucose in Non-Insulin-Treated Type 2 Diabetes: A Randomized Controlled Trial」の結果をまとめました。

2020/6/8、インスリン治療を受けていない2型糖尿病において、持続血糖モニタリングと従来型の自己血糖測定を比較した日本の研究「Flash Glucose Monitoring Helps Achieve Better Glycemic Control Than Conventional Self-Monitoring of Blood Glucose in Non-Insulin-Treated Type 2 Diabetes: A Randomized Controlled Trial」の結果をまとめました。インスリン治療を行っていない2型糖尿病において、フラッシュグルコースモニタリング(flash glucose monitoring: FGM)、従来型の自己血糖測定(self-monitoring of blood glucose: SMBG)の血糖コントロールへ与える影響を調べるために、24週間、多施設オープンラベル無作為化、並行群研究を実施、インスリン治療を受けていない2型糖尿病を対象に、日本の5つの病院にて、フラッシュグルコースモニタリング群49例、自己血糖測定群51例に無作為に割り振り、各デバイスを12週間提供しました。一次転帰はHbA1c値の変化、共分散モデル開先を行いました。フラッシュグルコースモニタリング群48例、自己血糖測定群45例が追跡完了しました。開始時の平均HbA1c値は、フラッシュグルコースモニタリング群7.83%、自己血糖測定群7.84%で、12週間後時点では両群とも有意に低下、フラッシュグルコースモニタリング群(-0.43% (-4.7 mmol/mol), p<0.001)、自己血糖測定群(-0.30% (-3.3 mmol/mol), p=0.001)を認めました。一方で、24週間後の時点いおいて、開始時からのHbA1c値の変化は、フラッシュグルコースモニタリング群で有意に低下しましたが、自己血糖測定群では有意差(FGM: -0.46% (-5.0 mmol/mol), p<0.001; SMBG: -0.17% (-1.8 mmol/mol), p=0.124)を認めませんでした。両群間の有意差(difference -0.29% (-3.2 mmol/mol), p=0.022)を認めました。フラッシュグルコースモニタリング群は自己血糖測定群と比べて、糖尿病治療の満足度問診スコア(Diabetes Treatment Satisfaction Questionnaire score)の有意に向上、平均血糖値、血糖の標準偏差、血糖範囲の平均変動幅、高血糖時間の有意な減少を認めました。インスリン治療を受けていない2型糖尿病において、血糖コントロールはフラッシュグルコースモニタリング群で自己血糖測定群よるも改善し、血糖モニタリング期間中止後も持続しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32518063
フリースタイルリブレの論文です。12週間のフリースタイルリブレ装着によって、血糖コントロールは改善し、治療満足度も向上、血糖コントロール向上の効果はフリースタイルリブレ介入終了後12週間後の時点でも維持されたという報告です。メディカルトリビューンにも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0625530666
欠点は、2020年6月時点で、インスリン治療を受けていない2型糖尿病は保険適応外なので、自費でフリースタイルリブレを使う場合は12週間で5万円強(リーダー7500円程度、2週間ごとにセンサー7500円程度を買い替え)のコストが掛かることです。自分の血糖変動をリアルタイムに知ることは良いことですね。


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