2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にて超高齢心房細動に対する低用量エドキサバンの効果を検討した研究「ELDERCARE-AF」試験の結果が発表されました。


2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にて超高齢心房細動に対する低用量エドキサバンの効果を検討した研究「ELDERCARE-AF」試験の結果が発表されました。80歳以上の非弁膜症性心房細動、CHADS2スコア2点以上、腎機能障害、低体重、出血イベントの既往、抗血小板薬の併用等の理由で、標準的な経口抗凝固療法が適さないと判断された超高齢心房細動984例を対象に、エドキサバン15mg群492例、プラセボ群492例、二重盲検下無作為化第3相試験を実施、有効性の主要評価項目は脳卒中、全身性塞栓症、安全性の主要評価項目は国際血栓止血学会定義の大出血、中央値466日間追跡、エドキサバン群151例、平均年齢86.6歳、プラセボ群152例が途中脱落、追跡完了症はエドキサバン群341例、プラセボ群340例、結果、脳卒中、全身性塞栓症は低用量エドキサバン群で66%有意に減少(HR 0.34 95%CI 0.19-0.61 P<0.001、intention-to-treat解析)を認めました。大出血はエドキサバン群で多い傾向でしたが有意差(HR:1.87、95%CI:0.90-3.89、P=0.09)には至りませんでした。詳しくは論文をご覧ください。追って訳します。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2012883
80歳以上で腎機能障害や抗血小板薬があると抗凝固療法はなかなか開始しにくいですが、それでも低用量のエドキサバンは大出血を有意に増加せることなく、脳卒中、全身性塞栓症を66%減少の効果があったということです。途中脱落例が非常に多い印象ですが、同意の撤回158例、死亡135例、その他10例とのことです。理由なき低用量抗凝固薬が以前リバーロキサバン(イグザレルト)で問題となっていましたが、エドキサバン(リクシアナ)は大丈夫という日本からのエビデンスです。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202009/566865.html


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