2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にてRA系阻害薬とCOVID-19の関係を検討した初の無作為化比較対照試験「BRACE CORONA」の結果が発表されました。

2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にてRA系阻害薬とCOVID-19の関係を検討した初の無作為化比較対照試験「BRACE CORONA」の結果が発表されました。COVID-19とRA系阻害薬との関係は以前から話題でしたが、無作為化比較対照試験はありませんでした。ブラジル、29施設、18歳以上、軽症から中等症のCOVID-19入院例、入院前に中央値5.0年間、ACE阻害薬またはARB内服していた659例を対象、RA系阻害薬を入院後30日間中止する群334例、続行する群325例、無作為に割り振り、主要評価項目は30日後の生存退院日数としました。平均年齢55.7歳、女性40.4%、基礎疾患として高血圧100%、糖尿病31.9%、冠動脈疾患4.6%、心不全1.4%、ACE阻害薬16.5%、ARB 83.3%、軽症57.1%、中等症42.9%、結果、30日後の生存退院日数平均値は、中止群21.9日、続行群22.9日、有意差(mean ratio 0.95 95%CI 0.90-1.01 P=0.09)を認めませんでした。30日後の退院生存割合は休薬群91.8%、継続群95.0%、死亡率は休薬群2.7%、継続群2.8%、有意差(HR 0.97 95%CI 0.38-2.52 P=0.95)を認めませんでした。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202009/566941.html
RA系阻害薬はCOVID-19の転帰に影響を与えないということを初めて無作為化比較対照試験で立証しました。RA阻害薬を中止する根拠はなく、続行で問題ないという報告です。


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