2020/8/31、慢性冠疾患に対するコルヒチンの効果を調べた研究「Colchicine in Patients with Chronic Coronary Disease」の要旨をまとめました。最近の研究のエビデンスからはコルヒチンの抗炎症作用が心筋梗塞後の心血管疾患リスクを減らすかも知れないことを示していますが、慢性冠疾患に対するリスク減少のエビデンスは十分にわかっていませんでした。慢性冠疾患で、コルヒチン0.5mg1日1回、プラセボ、無作為化比較対照二重盲検試験を実施しました。主要評価項目は心血管死、特発性心筋梗塞、虚血性脳卒中、虚血による冠動脈血行再建の複合としました。副次評価項目は心血管死亡、特発性心筋梗塞、虚血性脳卒中の複合としました。結果、全5522例、コルヒチン群2762例、プラセボ群2760例、中央値28.6ヶ月の追跡しました。主要評価項目はコルヒチン群187例(6.8%)、プラセボ群264例(9.6%)に発生、有意差(incidence, 2.5 vs. 3.6 events per 100 person-years; hazard ratio, 0.69; 95% confidence interval [CI], 0.57 to 0.83; P<0.001)を認めました。副次評価項目はコルヒチン群115例(4.2%)、プラセボ群157例(5.7%)に発生、有意差(incidence, 1.5 vs. 2.1 events per 100 person-years; hazard ratio, 0.72; 95% CI, 0.57 to 0.92; P = 0.007)を認めました。特発性心筋梗塞、虚血による冠動脈血行再建、心血管死亡、特発性心筋梗塞、虚血による冠動脈血行再建、特発性心筋梗塞の発生率は、コルヒチン群はプラセボ群に比べて、有意に低率を認めました。非心血管性の死亡の発生率はコルヒチン群はプラセボ群と比べて高率(incidence, 0.7 vs. 0.5 events per 100 person-years; hazard ratio, 1.51; 95% CI, 0.99 to 2.31)でした。慢性冠疾患の無作為化試験にて、コルヒチン0.5mg1日1回内服はプラセボと比べて心血管イベントリスクは有意に低下を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32865380
コルヒチンの慢性冠疾患に対する効果を検討した「LoDoCo 2」試験の結果です。コルヒチン0.5mgで主要評価項目である心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中、虚血による冠動脈血行再建の複合が31%低下を認めました。痛風発作治療薬コルヒチンの多面的作用の一つ抗炎症作用ということですが、31%も有意差が付くとは驚きです。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0907531589
2020/8/31、慢性冠疾患に対するコルヒチンの効果を調べた研究「Colchicine in Patients with Chronic Coronary Disease」の要旨をまとめました。