2020/10/5、肥満に対する特定保健指導の介入と心血管リスク、健康アウトカムとの関係を調べた日本の研究「Association of the National Health Guidance Intervention for Obesity and Cardiovascular Risks With Health Outcomes Among Japanese Men」の要旨をまとめました。

2020/10/5、肥満に対する特定保健指導の介入と心血管リスク、健康アウトカムとの関係を調べた日本の研究「Association of the National Health Guidance Intervention for Obesity and Cardiovascular Risks With Health Outcomes Among Japanese Men」の要旨をまとめました。肥満、心血管リスクは大きな公衆衛生上の課題です。しかしながら、肥満、心血管リスクに対して集団レベルの生活習慣介入と集団の健康アウトカムを改善するかどうかはエビデンスが十分ではありません。日本、特定保健指導の介入と集団の健康アウトカムとの関係を評価するために、2013年から2018年、40歳から74歳まで、全国の特定健診のスクリーニングプログラムの参加者を対象に、回帰不連続デザインを用いて、コホート研究を実施しました。全国特定保健指導の介入、特定健診のスクリーニングプログラムにて、腹囲85cm以上で、1項目以上の心血管リスク因子を認める例を対象に、健康的な生活習慣のカウンセリング、適切な臨床フォローアップを実施、肥満の状況の変化(体重、BMI、腹囲)、心血管リスク因子(血圧、HbA1c値、LDLコレステロール値)を、スクリーニングから1年後、4年後に評価しました。結果、74693例、平均年齢52.1歳、ベースラインの平均腹囲86.3cm、特定保健指導の介入の適応は、スクリーニングから1年後の体重減少(adjusted difference, −0.29 kg; 95% CI, −0.50 to −0.08; P = .005)、BMI(−0.10; 95% CI, −0.17 to −0.03; P = .008)、腹囲(−0.34 cm; 95% CI, −0.59 to −0.04; P = .02)の減少と有意に関連を認めました。特定保健指導後の観察された関連性は、時間とともに減弱し、3年後、4年後には有意ではありませんでした。特定保健指導と、1年後から4年後の収縮期血圧、拡張期血圧、HbA1c値、LDLコレステロール値の変化との関連性にはエビデンスを認めませんでした。日本の生産者年代の男性において、特定保健指導は、臨床的に有意な体重減少、他の心血管リスク因子の減少とは関連を認めませんでした。肥満、心血管リスク因子改善のための生活習慣介入の有効なデザインを探索するために、さらなる研究が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2771507
特定保健指導の有効性について、74693例、特定保健指導の介入から4年間追跡した結果、体重減少、BMI、腹囲、血圧、HbA1c値、LDLコレステロール値に関して、残念ながらいずれも有意差を認めなかったという報告です。特定保健指導の実態として、形だけやっている会社から、全社一体となって熱意を持ってやっている会社まで、会社ごとに大きく積極性が違うという印象です。特定保健指導の介入によって心血管リスク因子が有意に改善したという論文を待ちたいところです。


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