2020/10/6、心房細動に対するカテーテルアブレーション後の認知症発症リスクについて調べた研究「Less dementia after catheter ablation for atrial fibrillation: a nationwide cohort study」の要旨をまとめました。

2020/10/6、心房細動に対するカテーテルアブレーション後の認知症発症リスクについて調べた研究「Less dementia after catheter ablation for atrial fibrillation: a nationwide cohort study」の要旨をまとめました。心房細動は認知症のリスク上昇に関わるというエビデンスが蓄積して来ています。心房細動に対するカテーテルアブレーションは洞調律の期間を維持し、生活の質を改善します。心房細動に対するカテーテルアブレーションと認知症の発症との関係を調べるために、韓国、「Korean National Health Insurance Service database」を用いて、2005年から2015年、心房細動194928例、カテーテルアブレーション治療群、抗不整脈薬または心拍数コントロール薬等の薬物治療群、アブレーション群9119例、薬物療法管理群17978例を対象に試験に組み込みました。最初の薬物療法からカウントした時間リスク、時間変化暴露にてアブレーションを評価しました。傾向スコアマッチング、両群間を評価しました。中央値52ヶ月間の追跡期間において、薬物療法群と比べて、アブレーション群は全体の認知症発症リスクの減少(8.1 and 5.6 per 1000 person-years, respectively; hazard ratio 0.73, 95% confidence interval 0.58-0.93)を認めました。アブレーションと認知症リスクの関係は、脳卒中発症のため試験打ち切り後(hazard ratio 0.76, 95% confidence interval 0.61-0.95)においても観察されました。アブレーション成功例においてより明白でしたが、アブレーション失敗例においては有意差を認めませんでした。アブレーションは、アルツハイマー病、血管性認知症を含む認知症のサブタイプのリスク減少と関連を認めました。心房細動に対してカテーテルアブレーション、薬物療法の全国コホート研究から、アブレーションは認知症リスク減少と関連を認めました。この関係は脳卒中、臨床的交絡因子調整後も明らかでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33022705
心房細動に対するカテーテルアブレーションが認知症の発症リスクを減らすという衝撃的な論文です。認知症発症リスクは、カテーテルアブレーション群で27%減少、特にカテーテルアブレーション成功例に限ると44%減少との報告です。心房細動が認知症の発症リスクであることは知られていましたが、心房細動に対するカテーテルアブレーションが認知症発症リスクを減らすというのは新しい知見です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/1016533006


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