2020/10/1、薬剤溶出性ステントのステント血栓症の転帰を第1世代と第2世代で比較した研究「Outcomes After First- Versus Second-Generation Drug-Eluting Stent Thrombosis from the REAL-ST Registry」の要旨をまとめました。

2020/10/1、薬剤溶出性ステントのステント血栓症の転帰を第1世代と第2世代で比較した研究「Outcomes After First- Versus Second-Generation Drug-Eluting Stent Thrombosis from the REAL-ST Registry」の要旨をまとめました。ステント血栓症について、第1世代の薬剤漏出性ステントと第2世代の薬剤漏出性ステントの臨床転帰を比較したデータは十分ではありません。「REAL-ST Registry」(Retrospective Multicenter Registry of Stent Thrombosis After First- and Second-Generation DES Implantation registry)、ステント血栓症655例、第1世代薬剤漏出性ステント血栓症342例、第2世代薬剤漏出性ステント血栓症313例を対象に、傾向スコアマッチング後、159例、主要評価項目は1年間の累積死亡率としました。第2世代薬剤漏出性ステント留置後のステント血栓症の死亡率は、第1世代薬剤漏出性ステント留置後のステント血栓症と同等(23.0% vs 22.9%, p = 0.76)でした。また、第2世代薬剤漏出性ステント群は、第1世代薬剤漏出性ステント群と比べて、標的病変血行再建は有意に低率(9.7% vs 17.1%, p = 0.01)でした。1年間の死亡率の危険因子、ステント血栓症の発症時の心原性ショック、心停止、多枝ステント血栓症、左室駆出率40%以下、加齢、心筋梗塞還流グレード2以上のステント血栓症がありました。第2世代薬剤漏出性ステントは、第1世代薬剤漏出性ステントと比べて、1年死亡率は同様で、第2世代薬剤漏出性ステント時代においても依然としてステント血栓症は生命を脅かす合併症(life-threatening complication)であることが強調されました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32768142
ステント血栓症について、第1世代の薬剤漏出性ステントと第2世代の薬剤漏出性ステントを比較した研究です。いずれの場合もステント血栓症の死亡率は20%を超えており、油断出来ない合併症と言えます。ステント留置後も胸部症状出現時には冠動脈CT等が必要であるのはこのためです。詳しくは主治医までご相談ください。


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