2020/10/24-11/3、三省堂書店神保町本店「神保町いちのいち」にて「古地図展示即売会」の開催中です。

2020/10/24-11/3、三省堂書店神保町本店「神保町いちのいち」にて「古地図展示即売会」の開催中です。以前から探していた東京35区時代の古地図を見付けましたので購入、診察室に掲示しました。
http://jinbocho.books-sanseido.co.jp/events/5591
暇だったので、江戸時代から現在の東京23区の成り立ちをまとめました。

・江戸時代
現在の東京23区は、江戸時代後期、江戸城の城下町の地域を定めた「朱引内」または「墨引内」に由来します。具体的には、文政元年(1818年)、「御府内」の範囲は、
東:中川限り
西:神田上水限り
南:南品川町を含む目黒川辺
北:荒川・石神井川下流限り
と明確化され、「朱引内」と定められました。また、「町奉行所支配」の範囲を「墨引内」と定めました。

・「東京15区」時代
明治元年(1868年)、「朱引内」「墨引内」の地域を原型に「東京府」が成立、明治11年、「郡区町村編制法」によって「東京15区」が成立しました。具体的には、「麹町区」「神田区」「日本橋区」「京橋区」「芝区」「麻布区」「赤坂区」「四谷区」「牛込区」「小石川区」「本郷区」「下谷区」「浅草区」「本所区」「深川区」の15区です。

・「区外6郡」
区外には、「荏原郡」「南豊島郡」「東多摩郡」「北豊島郡」「南足立郡」「南葛飾郡」の6群がありました。明治21年(1888年)、「市制町村制」によって「東京市」が成立しました。明治29年(1896年)、「南豊島郡」と「東多摩郡」の合併で「豊多摩郡」となり、5郡が成立しました。区外はまだ農村地帯で、品川、内藤新宿、板橋、千住、江戸四宿の宿場町がある程度でした。

・「東京35区」時代
昭和7年(1932年)、区外の都市化から、区外5郡を20区に区分け、「東京市」に編入しました。具体的には、「荏原郡」から「品川区」「荏原区」「目黒区」「大森区」「蒲田区」「世田谷区」の6区が成立、「豊多摩郡」から、「渋谷区」「淀橋区」「中野区」「杉並区」の4区が成立、「北豊島郡」から、「豊島区」「滝野川区」「荒川区」「王子区」「板橋区」の5区が成立、「南足立郡」から、「足立区」が成立、「南葛飾郡」から、「向島区」「城東区」「葛飾区」「江戸川区」の4区が成立しました。区外20区を「新市域」、従来の15区を「旧市域」と呼んで区別することもあります。「旧市域」15区と「新市域」20区とと合わせて、東京35区が成立しました。診察室に掲示してあるのは昭和8年(1933年)の東京35区時代の東京市の地図です。

・「東京22区」時代
昭和22年(1947年)、東京35区を22区に統合、東京22区になりました。具体的には、「麹町区」「神田区」から「千代田区」、「日本橋区」「京橋区」から「中央区」、「芝区」「麻布区」「赤坂区」から「港区」、「四谷区」「牛込区」「淀橋区」から「新宿区」、「小石川区」「本郷区」から「文京区」、「下谷区」「浅草区」から「台東区」、「本所区」「向島区」から「墨田区」、「深川区」「城東区」から「江東区」、「大森区」「蒲田区」から「大田区」、「滝野川区」「王子区」から「北区」が成立しました。「品川区」に「荏原区」が加わり「品川区」が成立しました。「目黒区」「世田谷区」「渋谷区」「中野区」「杉並区」「豊島区」「荒川区」「板橋区」「足立区」「葛飾区」「江戸川区」はそのままとなりました。

・「東京23区」
昭和22年(1947年)、「板橋区」から「練馬区」が分離、現在の東京23区となりました。具体的には、お馴染みの通り、「千代田区」「中央区」「港区」「新宿区」「文京区」「台東区」「墨田区」「江東区」(8区は旧市域に相当)、「品川区」「目黒区」「大田区」「世田谷区」「渋谷区」「中野区」「杉並区」「豊島区」「北区」「荒川区」「板橋区」「練馬区」「足立区」「葛飾区」「江戸川区」(14区は新市域に相当)の23区です。
江戸時代、「東京15区」時代、「東京35区」時代、「東京22区」時代、「東京23区」時代の変化をまとめたページがありました。
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/01soumu/archives/0712edo_hanni.htm
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/01soumu/archives/0714tokyo_ku.htm


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