2020/10/20、駆出率の保たれた心不全の生活の質に対するvericiguatの効果を検討した研究「Effect of Vericiguat vs Placebo on Quality of Life in Patients With Heart Failure and Preserved Ejection FractionThe VITALITY-HFpEF Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。

2020/10/20、駆出率の保たれた心不全の生活の質に対するvericiguatの効果を検討した研究「Effect of Vericiguat vs Placebo on Quality of Life in Patients With Heart Failure and Preserved Ejection FractionThe VITALITY-HFpEF Randomized Clinical Trial」の要旨をまとめました。駆出率の保たれた心不全(heart failure and preserved ejection fraction: HFpEF)は、死亡、入院リスクが高く、機能キャパシティ、生活の質の低下につながります。カンサスシティ心筋症問診票(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire: KCCQ)身体制限スコア(physical limitation score: PLS)、経口可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬の「vericiguat」の有効性を評価するために、第IIb層無作為化二重盲検プラセボ対照多施設研究、2018年から2019年、21カ国、167施設、慢性の駆出率が保たれた心不全で、左室駆出率45%以上、NYHAクラスII、IIIの症状を認め、6ヶ月以内の最近の非代償化(心不全入院、入院なしで経静脈利尿薬)、ナトリウム利尿ペプチドの上昇を認める789例を対象に、2019年まで追跡しました。vericiguat群、1日15mg264例、10mg263例、プラセボ群262例、無作為に割り振りました。主要評価項目は治療24週間後時点におけるカンサスシティ心筋症問診票身体制限スコア(0から100、スコア値が高いほど機能良好を示す)の変化としました。副次評価項目はベースラインから24週間後時点における6分間歩行距離としました。結果、789例、平均年齢72.7歳、女性385例(49%)、平均駆出率56%、NT-proBNPの中央値1403pg/mL、761例(96.5%)試験完了しました。ベースライン、24週間後時点のカンサスシティ心筋症問診票身体制限スコアは、それぞれ、vericiguat 15mg群60.0、68.3、vericiguat 10mg群57.3、69.0、プラセボ群59.0、67.1、最小二乗平均変化はそれぞれ5.5、6.4、6.9でした。vericiguat 15mg群とプラセボ群の差の最小二乗平均は−1.5 (95% CI, −5.5 to 2.5; P = .47)、vericiguat 10mg群とプラセボ群の差の最小二乗平均は−0.5(95% CI, −4.6 to 3.5; P = .80)でした。ベースライン、23週後時点の6分間歩行の平均スコアは、それぞれ、vericiguat 15mg群295.0m、311.8m、vericiguat 10mg群292.1m、318.3m、プラセボ群295.8m、311.4m、変化の最小二乗平均はそれぞれ5.0m、8.7m、10.5mでした。vericiguat 15mg群とプラセボ群の差の最小二乗平均は−5.5m(95% CI, −19.7 m to 8.8 m; P = .45)、vericiguat 10mg群とプラセボ群の差の最小二乗平均は−1.8m(95% CI, −16.2 m to 12.6 m; P = .81)でした。症候性の低血圧症の経験の割合は、vericiguat 15mg群6.4%、vericiguat 10mg群4.2%、プラセボ群3.4%、失神はそれぞれ1.5%、0.8%、0.4%でした。駆出率の保たれた心不全で、最近の非代償化を認める例において、24週間のvericiguat治療は、15mg、10mgに関わらず、プラセボと比べてカンサスシティ心筋症問診票身体制限スコアを改善しませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2771900
経口可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬「vericiguat」の駆出率の保たれた心不全に対する第II相試験です。生活の質関連指標を改善しませんでした。
「vericiguat」は、駆出率の低下した心不全に対しての第III相試験は成功しています。詳しくは以前のまとめをご覧ください。
「2020/3/28(土)、左室駆出率の低下した心不全に対するVericiguatの効果を調べた研究「Vericiguat in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction: VICTORIA Study」の結果をまとめました。」
https://ochanomizunaika.com/14768


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