2020/11/8、2型糖尿病、慢性腎臓病の貧血に対するカナグリフロジンの効果を調べた研究「Effects of canagliflozin on anaemia in patients with type 2 diabetes and chronic kidney disease: a post-hoc analysis from the CREDENCE trial」の要旨をまとめました。SGLT2阻害薬(Sodium-glucose co-transporter 2 inhibitors)は赤血球生成(erythropoiesis)を促進し、赤血球体積を増加させる可能性があります。カナグリフロジンの貧血関連転帰へ長期作用を評価するために、34カ国、690施設、2型糖尿病、慢性腎臓病を対象に、カナグリフロジン、プラセボを無作為化、「CREDENCE」(Canagliflozin and Renal Events in Diabetes with Established Nephropathy Clinical Evaluation)試験の事後解析を実施しました。カナグリフロジンの効果を、線形混合影響モデルを使用、ヘモグロビン、ヘマトクリット一致の対照群と比較しました。事後解析の主要評価項目は、カプランマイヤー解析、Cox回帰モデルによって評価、研究者報告の貧血または貧血に対する治療の複合転帰としました。全例、処理意図解析を実施しました。2014年から2017年、4401例、カナグリフロジン100mg群2202例、プラセボ群2199例に無作為に割り振りました。ベースラインにおいて、平均ヘモグロビン濃度は132.0 g/L(SD 17·7)、4401例中1599例(36%)、貧血(ヘモグロビン、男性130g/L未満、女性120g/L未満と定義)を認め、4401例中33例(1%未満)はエリスロポエチン刺激薬を使用していました。中央値追跡期間2.6年、カナグリフロジン群はプラセボ群と比べて、平均ヘモグロビン濃度7.1g/L(95% CI 6·4-7·8)、ヘマトクリット2.4%(2·2-2·6) 高値でした。4401例中573例、研究者報告貧血事象または貧血治療の開始、4401例中358例(8%)貧血事象、141例(3%)エリスロポエチン刺激薬の開始、114例(2%)輸血(blood transfusion)を受けました。貧血事象または貧血治療開始の複合転帰のリスクはカナグリフロジン群でプラセボ群と比べて有意に低値(hazard ratio 0·65, 95% CI 0·55-0·77; p<0·0001)でした。プラセボ群と比べて、カナグリフロジン群は貧血事象(0·58, 0·47-0·72; p<0·0001)、鉄分補充開始(0·64, 0·52-0·80; p<0·0001)、エリスロポエチン刺激薬の必要(0·65, 0·46-0·91; p=0·012)の有意な減少を認めました。2型糖尿病、慢性腎臓病において、カナグリフロジン群で、エリスロポエチン刺激薬も含む貧血関連転帰の減少しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33065060
SGLT2阻害薬カナグリフロジン(カナグル)で腎性貧血の進行抑制、改善を認めたという報告です。SGLT2阻害薬は何でも改善しますね。
2020/11/8、2型糖尿病、慢性腎臓病の貧血に対するカナグリフロジンの効果を調べた研究「Effects of canagliflozin on anaemia in patients with type 2 diabetes and chronic kidney disease: a post-hoc analysis from the CREDENCE trial」の要旨をまとめました。