2020/11/5、くも膜下出血の急性期の血圧変動性と機能転帰との関係を調べた研究「Effect of Blood Pressure Variability During the Acute Period of Subarachnoid Hemorrhage on Functional Outcomes」の要旨をまとめました。

2020/11/5、くも膜下出血の急性期の血圧変動性と機能転帰との関係を調べた研究「Effect of Blood Pressure Variability During the Acute Period of Subarachnoid Hemorrhage on Functional Outcomes」の要旨をまとめました。脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血において、血圧変動性と転帰との関係は十分にわかっていません。脳動脈瘤破裂性くも膜下出血において、収縮期血圧の変動性と臨床転帰の関係を評価するために、2007年から2016年まで、大学病院に入院、脳動脈瘤破裂性くも膜下出血の全例、後ろ向きレビューを実施しました。人口統計、脳動脈瘤破裂性くも膜下出血の特徴、血圧を入院後最初の24時間、4時間間隔で観察しました。収縮期血圧の変動性の指標として、平均値、標準偏差、最大値、最小値、ピーク値、trough値、変動性係数、逐次変動(successive variation)を測定しました。主要評価項目は、追跡終了時のmRS 0-2点(良好)、3-6点(不良)の割合とし、両群間の転帰を比較しました。ロジスティック回帰モデル、各収縮期血圧のコントロール、各交絡因子を解析しました。結果、研究対象202例、平均年齢57歳、女性66%、追跡中央値18ヶ月、不良転帰57例(29%)でした。不良転帰群は、高い標準偏差(17.1 vs 14.7 mmHg, P = .01)、高いピーク(23.5 vs 20.0 mmHg, P = .02)、高いtrough値(22.6 vs 19.2 mmHg, P < .01)、高い変動性係数(13.9 vs 11.8 mmHg, P < .01)、低い収縮期血圧(101.4 vs 108.4, P < .01)、有意差を認めました。ロジスティック回帰の結果、収縮期血圧の最小値が1mmHg上昇するごとに良好転帰のオッズ比の増加(odds ratio = 1.03; 95% CI = 1.001-1.064; P = .04)を認めました。収縮期血圧の変動のモデルは有意ではありませんでした。脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血において、低血圧は独立した危険因子であることが明らかになりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://academic.oup.com/neurosurgery/article/87/4/779/5741713
脳卒中において血圧は下げたほうが良いのか高いほうが良いのか議論は分かれています。今回、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の急性期においては、血圧は低いほうが良くないという報告です。脳卒中の病型ごとに血圧コントロールのエビデンスが蓄積して来ました。


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