2020/10/27、モバイルスマートフォンテクノロジーで院外心停止の生存率を改善出来るかフランスの取り組みの研究「Mobile Smartphone Technology Is Associated With Out-of-hospital Cardiac Arrest Survival Improvement: The First Year “Greater Paris Fire Brigade” Experience」の要旨をまとめました。

2020/10/27、モバイルスマートフォンテクノロジーで院外心停止の生存率を改善出来るかフランスの取り組みの研究「Mobile Smartphone Technology Is Associated With Out-of-hospital Cardiac Arrest Survival Improvement: The First Year “Greater Paris Fire Brigade” Experience」の要旨をまとめました。院外心停止(Out-of-hospital cardiac arrest: OHCA)は依然として非常に高い死亡率です。有効な心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation)を早期に開始することは転帰を改善するための鍵であると広く考えられています。フランス、パリ、広範囲の都市部地域において、スマートフォンアプリケーション「Staying Alive」を通じて、周囲にいる一次反応者(nearby first res ponders)に通知、アクティベーションを送信することは院外心停止の生存率を改善するか調べることを目的として、2018年、パリにて、モバイルアプリケーションの使用に関わらず、「Greater Paris Fire Brigade」、全ての成人の院外心停止を対象に無作為化コホート研究を実施しました。「Staying Alive」を使用した場合、「Staying Alive」を使用しなかった場合で、周囲の一次反応者のアクティベーションにつながるかどうか生存率データを比較しました。試験期間、院外心停止の通知、「Staying Alive」あり、「Staying Alive」なしで比較しました。介入群、全例、周囲の一次反応者は「Staying Alive」によって、通知を確認に成功、心肺蘇生に貢献しました。対照群は他の例としました。介入群と対照群で退院生存率を比較しました。症例データ、心肺蘇生の指標、一次反応者の特徴を解析しました。2018年、院外心停止4107例が報告されました。そのうち、対照群320例、介入群46例、一次反応者開始の心肺蘇生を受けました。交絡因子調整後、退院生存率は介入群で有意に改善(35% vs 16%, adjusted odds ratio 5.9 95%CI 2.1 to 16.5, p<0.001)を認めました。全ての心肺蘇生の指標は介入群で改善を認めました。広範囲の都市部地域において、一次反応者による有効な心肺蘇生の開始を促進することを通じて、モバイルスマートフォンテクノロジーは院外心停止の生存率と関連しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32445436
院外心停止の一次救命救急において、周囲の一次反応者(nearby first res ponders)による迅速な心肺蘇生の開始が有意に増加したというフランスからの報告です。退院生存率は16%→35%へ向上、5.9倍で有意差も着いており、有望な解決策であることが期待されています。2014年6月、以前同様の発想で心肺蘇生支援アプリ「ハートレスキュー」というのを開発したことがあります。これを日本でもちゃんとやれば効果は期待出来るということでしょう。詳しくは「ハートレスキュー」のページをご覧ください。
https://ochanomizunaika.com/heartrescue


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